昔々 ある所にお婆さんとリクお爺さんがおりました





「って、オレはどうするんだよ!!





…コゲンタくんは、まぁ 二人に買われてる猫って事で


「ウォイコラ!!」







まあ 彼の事はさておいて、お爺さんは山へ芝刈りに
お婆さんは川へ洗濯に行きました





「洗濯の仕方って良くわかんないけど これでいいよね〜
ってあれは…、かな?」





川上からどんぶらこどんぶらこ と桃が流れてきました…が





「あんな大きな桃 持ち帰れないからほっとこう」


そういって お婆さんは桃を無視して帰りました、すると―







「お帰りなさいさん、今日は大きな桃が
手に入ったんですよ♪



得意満面の笑みで お婆さんを迎えるお爺さんが鎮座し





部屋の中には お婆さんが無視したはずの桃
確かに存在していた





「リク君…こんな大きな桃 どうやって運んだの?


「山の中にぽつんとあったから コゲンタと二人で
運んできたんですよ〜」


論点のずれた質問をするお婆さんに ほんわかと答えるお爺さん


コゲンタは…疲れたのかぐったりしていて動かない





「おかしいな〜…まあいっか、どうせだからその桃食べよ♪


「? そうですね、それじゃあ今から切りましょうか


お婆さんの言葉に お爺さんが鉈を手に桃へ近づいた





すると 桃が勝手に二つに割れ、中からが出てきました


「そんな危ないもので割ろうとしないで下さい!!」





さんがいたんですか〜!じゃあさんが
桃太郎さん
なんですね?」


「うん、まあそうみた…」


「なんてラッキーなの〜!早速だけどくん
ヤクモ様の情報 聞かせて聞かせて〜!!


桃から出てきたにもかかわらず いつもの勢いで詰め寄るお婆さん







このままだと、衰弱死寸前までお婆さんに語らされつづけられる
と直感した桃太郎は





「早速ですが、僕 鬼退治に行ってまいります!!


と自主的に言い出した











〜「桃太郎(仮)」〜











何とか残って欲しいと頼むお婆さんを振り切り、お爺さんから
きび団子と武器を貰った桃太郎は鬼ヶ島を目指した









危なかった…とは言え、誰が仲間になるんだろう?」





そう呟いた矢先、森の中でバッタリに出くわした





「あれ ちゃん、どうしたの?」


よぉ、お前が桃太郎なのか…いや 何でか知らんが
俺がお供の犬役やれってさ」





いつもの調子で そう言いながら





「そんなわけで きび団子はどうでもいいが、
お供するからよろしくな?


「ありがとう ちゃん」







桃太郎は 犬(?)を味方にした、その直後







「「「ちょっと待ったああああ!!!」」」


木陰から勢い良く ネネとツルヤッコとライザの三人が飛び出した





「「うわあっ イキナリ何(なの・だ)、三人とも!?」」





いきなり過ぎる登場に驚く二人を余所に





「不本意だけど のためにおサルのネネもお供するよv


あたいもキジとして参戦するからね!」


「あたしも一応キジとして の味方になるわ


とそれぞれ各自の意思を告げると共に、桃太郎の側に近寄った







「あ、ありがとう三人とも…」


「……まぁ、コレだけ味方がいれば 鬼退治も楽だよな」


「「「当然よ 
(ネネ・あたい・あたし)が守るもの!!」」」






苦笑する二人とは裏腹に、めちゃめちゃ意気込む式神三人娘









こうして、本来よりも随分早いスピードでお供が揃った桃太郎は

サクサクと鬼ヶ島へ進んでいった







〜どうせならあたいの背中に乗りなよぉ」


「そうよ わざわざ船でこがなくてもあたしが運んであげるわよ?」


「何よ 二人は飛べるけどネネ達は飛べないのよ!?
だからもこうして一緒に船に乗ってくれてるんだから〜!」





船の上を飛ぶキジ二人と 舟をこぐサルが三つ巴で
口ゲンカ
の真っ最中







「…お前も苦労してんだな


「わかってもらえてうれしいよ ちゃん」


同じく舟をこぎながら犬が 溜息をつく桃太郎に同情する





「「「そこ!抜け駆けは禁止だよ!!」」」


「抜け駆けなんかしてねぇ!」


ケンカしてたはずの三人のハモリに 犬は即座にツッコミ返した









そして桃太郎一行は鬼ヶ島に着き、島に立っている宮殿のような
建物へと足を踏み入れた







「ここが鬼達の住む所かな…」





最初の部屋に入り 辺りを見渡す桃太郎…すると





「待て!ここから先へ進みたくば、私達を倒すのだ!!


威勢のいい声と共に 鬼のカッコのショウカクとヤタロウが現れた





『うわー…何その格好』





桃太郎一行の台詞は 見事なまでにシンクロした







「うるさい!何故か私だけこんなものを
渡されたから
着ているのだ!!」


「その通り…行くぞ!」





顔を真っ赤にしながら 桃太郎へと迫る鬼二人へ





「「「「させるかあああああっ!」」」」


声さえ見事にハモらせて お供四人の
コンビネーション攻撃
が炸裂した!









「…皆 すごかったね」


「うれしい 誉められちゃったv


あたいの針がとどめになったのさ♪」

「いいえ あたしの炎があいつらに利いたのよ」


「それより、次の部屋だぜ三人とも」





最初の部屋の鬼を瞬殺した桃太郎一行は 次の部屋へと入った







「おっと、ここから先は通しやせんぜ?





次の部屋の番人は 霜花のオニシバだった…


勿論、姿はいつもの格好だが







「どうする みんな?」


今度こそ苦戦するだろうと思い 作戦会議を開く桃太郎





「ネネ あの人と戦うのやだな〜」


「あたいも、妙に気が進まないねぇ」


「霜花族の中でも あの男は曲者だしね…って、あら?」





意見を交わしていた桃太郎&三人娘が ふと視線を向けると―







犬は番人と睨み合いながら 間合いを取っていた







「「「…どうやら が何とかしてくれるみたいだね
ここはあの娘に任せて、行こうか」」」


「えっ ちょっと待て!俺を置いてくな!!





慌てながらも視線を外せず問い掛ける犬を そのまま置き去りにして


三人娘は桃太郎を無理やり次の部屋へ引っ張っていった











ちゃんを置いていっちゃってよかったのかな…」


「「「大丈夫よ きっと何とかなるって(多分)」」」





犬の身を案じる桃太郎と 励まし(にはあんまりなってない)の声を
かける三人娘は、ついに最後の部屋にたどり着いた







「待っていたぞ…桃太郎」





不敵な笑みを浮かべて佇む 鬼の大将のタイザン





「あなたが…鬼の大将ですか?」


「いかにも 貴様はここで倒れてもらおう、出でよ手下ども!


その声と共に 手下の鬼として現れたのは―





「ヤクモ、マサオミさん どうしてここに!?」


予想だにしなかった二人の登場に 驚きを隠せない桃太郎





「桃太郎はだったのか!


には悪いけど オレ達飯おごってもらう約束
タイザンに鬼役頼まれちゃってさ〜


「「「「軽っ!」」」」





余りにも軽すぎる理由にツッコミ入れる桃太郎一行







「そんな訳で に恨みはないが…


「オレ達の飯代のために、犠牲になってくれー!


言いながら 手下鬼二人が襲い掛かった







「「「 危ない…きゃあっ!」」」





助けに入ろうとした三人娘が 飛来した闘神符"縛"によって
身動きを封じられる





「貴様らは黙って 主人がやられるのを見ているが良い


めちゃめちゃノリノリの鬼の大将…って シナリオ無視してないか?







「ちょっ ちょっと二人とも止め…うわあっ!!





二人の攻撃を何とか避けていた桃太郎だったが 足を滑らせ
転倒して 頭を思い切り床に打ち付けてしまった







『あ!!』


「あ しまった、やりすぎたか!!」


「おーい 大丈夫か〜〜!!


「おい、今 頭からもろにいったぞ?大丈夫なのか?





流石に今の様子に 鬼達も自分達の立場を忘れ、
桃太郎の身を心配した…その時だった









「「「よくもを傷つけたわね…!」」」







鬼達が声のした方を向くと、殺気に眼をぎらつかせ
自力で呪縛を解いたブチ切れ三人娘がいた





「馬鹿な…呪縛を自力で解いただと!?」


「いや それより、物凄い殺気立ってるぞ…!


「ていうか今のは 明らかにが自分でコケ


「「「問答無用!!」」」





容赦ない三人娘の攻撃に 鬼達の悲鳴が響き渡った…











「…何だ今の悲鳴は? そんな事はどうでもいいか」





ほったらかしにされた後、何とか番人を退けた犬が

最後の部屋へと駆けつけ 扉を開き―





ここか!………って、鬼はどっちだ?







部屋へ入った犬が見たのは、鬼と見まごうばかりの三人娘の
攻撃により すっかりボロボロになった鬼三人組だった





「こんなんなってるって事は…やっぱり!





部屋をざっと見渡し 倒れている桃太郎を見つけて駆け寄る犬







、大丈夫か 起きろ


「う…痛た……あ、ちゃん 無事だったんだねよかっ」


「いや 俺の心配より、あいつら止めるのが先!





気絶状態から復活した桃太郎に 犬は現状を報告した







「皆 僕は無事だからもう暴れるのは止めるんだ!


「「「無事だったんだね!!」」」


桃太郎の声を聞いた途端 三人は顔色を変えて彼に駆け寄る







のお陰で 助かった…


「あんな恐ろしい目にあったのは 初めてだよ…」





三人娘を眺めながら 汗を流しつ呟くヤクモ鬼とマサオミ鬼







「頼む 宝をやるから、もう金輪際来ないでくれ





と 大将のタイザンが頼み込み、かくして桃太郎一行は
一財産を持って 自分達の家へと凱旋したのでした








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あとがき(というか楽屋裏)


狐狗狸:他の素敵サイト様の共演夢を読んでいるうちに、
私も物凄く書きたくなって、ついに書いてみてしまいました〜
本当にありがとうございます 希沙斗さま!(嬉)


リク:でも かなり桃太郎の設定無視してますよね?


狐狗狸:展開上仕方がありませんでした そこはツッコまないで
それに君や三人娘のやり取りが一番楽しかったし(笑)


コゲンタ:つか、無駄に話長すぎだろ!それよりオレの役が


狐狗狸:(遮って)文章力が足りないのが
悪いんだからツッコまないで!!


ヤクモ:というか…にオレ達が襲い掛かる
ってのも少し不満が…


マサオミ:そうそう、これじゃオレ達誤解されるよな?


狐狗狸:………17どもの戯言はほっとくとして 読んで下さって
ありがとうございました〜!!
(笑顔で手を振り)


他のキャスト:まだ喋ってないのに終わるな!!