「ユーマ君〜消しゴム貸して〜」


「先生 席替えをお願いします」









とまぁ 冒頭から某CMのような
やり取りが繰り広げられているわけだが









「お前等 授業中だから静かにしろ







と言う一言で オレの台詞は一蹴された












〜席替えで祈る〜













今日は 地流クラスと天流クラスの合同授業だ







別にそれについて不満があるわけじゃない









だが…隣の席にいる 天流クラスの
 については、言いたい事が山ほどある









「えーどうして?いいじゃん消しゴム位」


いいわけがあるか!毎度の如く消しゴムだの
辞書だの教科書だの貸せとせがむな!!」


「いやーだってつい忘れちゃうんだもん仕方ないじゃん?」







全く悪びれる様子も 反省する気配もなく







「意地悪しないでよ〜隣のクラスだし合同した時
お隣のよしみってことでさ〜」





はそう言って、尚も消しゴムを借りようとする







「それなら自分の式神から借りればいいだろう!」


「だって席離れてるし、それに借りるのすっごい怖いんだもーん」


「知るか とにかくオレは貸さん!


「ええ〜そんなぁ、消しゴム位貸してくれても
いいじゃん お願いお願いお願い〜











いつも こうやって
最終的にはオレの物を必ず借りていく









いっそ無くしたりしてくれれば、貸さない理由が
出来るのに こいつは律儀に返しに来る







…悪い奴ではないが、迷惑である事には変わりない









(いっそ この合同授業の時にも、席替えがあれば…!







オレは握りこぶしを震わせて 心の中でそう叫ぶ











「……ちっ、今回だけだからな」


「わーい ありがとうユーマ君、大好き!









この無邪気な微笑みが 妙に眩しく見える自分が憎い













「…あの頃は 本当に大変だったな」





席替えの最中、オレは小声で呟く







「ユーマ 何か言ったか?


「いいや、何も」







背後のランゲツは そうか、と言ったきり
興味なさそうに目をそらした











まさか神流と地流で起きたあの事件が、
天流にまで飛び火するとは思わなかった









それで は天流の友を失い
地流の友人とも決別したようだ







そのせいなのかはわからないが





二年飛び級した後、式神も離れたらしい











風の噂では、地流の先輩から新しい式神を
譲り渡され 元気にやってるとか







ただ、忘れ物ぐせは直ってないらしく





他のクラスの奴に借りに行ったり
色々と迷惑をかけることもあるようだ









…席替えするたび、オレは







を思い出しては祈らずにいられなかった









頼むから もう消しゴムとかをオレから借りに来るなよ、と








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あとがき(というか楽屋裏)


狐狗狸:飛び級する前のとユーマの話を
書いてみたいな なんて思って書きました


ユーマ:何で明光○塾のCMパクって話に使ってるんだ


狐狗狸:パクリじゃありませんパロディです


ユーマ:しかも って言う割には短いし


狐狗狸:最近 私の書く話って長いから
たまには短くてもいいじゃないですか


ランゲツ:…単にネタが浮かばなかったのだろうが


狐狗狸:Σギクギクギクっ




微糖どころか無糖に近くてスイマセンでした
これからも学パラドンドン増やしますとも(短編も書けよ)