「やっと授業終わったよ〜ねぇ


「断る」


「まだ何も言ってないじゃないよ〜」


「どうせ購買で何かデザートでも買って来い、って
言うに決まってるだろ だから断る







不満そうな顔をするを一瞥して
俺はそそくさと教室を出ようとする







「ねぇちょっと 何処行くのよ?」


決まってんだろ?屋上で一眠りしてくる」


「ええ〜いいじゃん別に 一緒にお弁当食べようよ〜


「式神は喰わなくても平気だっ それに
ついでにパシらせる魂胆丸見えなんだよ!!










掴まれた腕を振り切ろうと必死になっていると







玉子焼き作ってきたのよ 食べてvV







と 弁当箱をひっさげがやってきた





ああ、また面倒な奴がやってきた












〜愛の玉子焼き〜













今来た奴は 俺の元宿主だった奴





ついでに言えば 現宿主の一個上で
地流クラスにしてかなりの実力者









入学した当初 俺はと契約してたんだが







前に神流の奴と地流の奴がもめた事件が起こり





その争いをが鎮めようとした時に
俺がドジ踏んで大怪我して以来


手元に置いとくのが不安で契約を
弟と繋がりのあったに譲渡した











―まぁ 始めは納得いかなかったけど







今にして思えば、その時は神流の連中と地流の連中
ごたごたしててやばかったってのもあるから





仕方ねぇって言えば仕方ねぇんだけどな









けど、会えなくて寂しいとかは全然ない





部活で嫌でも顔合わせるし、こうして
今みたく足蹴く俺の顔を見に来たりもする


ありがたいって言えばありがたい…けどな











、お前クラスも学年も違うんだし
ここに入り浸ってるの絶対おかしいって!!


「えーでもさんは他の人からも慕われてるし
流派とかなんて今更気にしなくてもいいじゃん」


「そういう問題じゃねぇ!」







のんきに弁当ぱくつき始めたに一括





…ぶっちゃけ他のクラスの奴はいつもの事だからか
全く気にしちゃいない





気にしてても恐らく、触らぬ神に祟りナシって状態で
黙認してるっつーのが自然かもしれねぇ









「大丈夫よ ちゃんと授業が始まる前に
クラスに戻るから」


「だからーそういうのを言いたいんじゃなくてだな…」







…頼むから、もうちょっと


親バカを自覚そして自粛してくれ!













実際 の親バカはその実力とともに
もはや学園で知らぬ者はいない位だ





調理実習のケーキを差し入れ、とかはまだ可愛い方で


悪くすると 俺がちゃんと授業を受けてるか
監視したり、先公の命令で連れ戻しに来たりする







部活でも俺に派手な衣装を勧めたりとよく脱線し
その度 俺や部員が一々軌道修正









たまーに生徒会長のヤクモさんとか 他の奴まで
巻き込んじまう
所もあるから余計性質が悪い







この親バカこそ、俺の心労の原因その一











「まあいーじゃん それより
さんの卵焼き食べたら〜 すっごく美味しいよ♪


「ありがとうちゃん、今日のは自信作なの」





二つ目は間違いなく のほほんと弁当食ってる







「お前らなぁ…」


どうしたの?卵焼き嫌いだったの?」









心配そうにが俺の顔を覗き込む







違ぇよ…はぁ もういいよ、食えばいいんだろ?」





もう説明してるヒマもないし、正直疲れた…





仕方無く俺は の弁当箱を覗き込んで


やたらと美味そうなおかずが並ぶ中、
卵焼きだけ取って口に放り込んだ







 お行儀悪いよ?」


「うっさい」







に返事を返しながら卵焼きをほおばる





確かに 今日の卵焼きは絶品だった


…いや の料理は結構美味いんだけど





今日はゆっくり弁当を味わっているヒマはない


早く此処から逃げなければ









「卵焼き結構美味かったよ ありがとうな





ごっそーさん、と付け加えて教室を出ようとした







「あ 購買のデザート!


「自分で買いにいけっ!」







とそんなやり取りをしながら廊下に―









「何処へ行く気ですかぃ さん?」





出ようとした所で入り口に霜花のオニシバが佇んでいた









最悪だ よりによってこのタイミングで会うとは











俺が以前コイツの宿主の授業に うっかり迷って
乱入しちまったせいで奴にも宿主にも目をつけられ


何かとの厳罰の生け贄にされる事も多く





サボりや迷子の度に 同様連れ戻しにくる
一番の心労の原因













何処行こうと俺の勝手だ」





そのまま横をすり抜けようとすると 腕を掴まれる







「そうはいきやせんよ、旦那が
今日こそは連れて来いって言うんでねぇ」





…やっぱり 予測通りか


厳罰と言う名の 腹黒の魔窟へ行きたくなかったから
さっさと逃げたかったのにっ…!











「ちょっと、嫌がってるじゃないですか!







後ろからがオニシバの手を掴みながら、
オニシバを睨み付ける…勿論空いてる手には闘神符








「仕方ないんですがねぇ嬢、この所さんの
授業欠席が多いんで呼んでくるよう言われたんでさ」


「だったら私が責任を持ってを連れて行きます!


「悪いけどこいつぁあっしが頼まれた仕事なんでねぇ…
生徒は大人しく引っ込んでいてもらえやすか?」


「あら、先生の式神が生徒を脅していいんですか?
それにタイザン先生の厳罰は随分悪評も多いようですけどね」







二人とも 笑顔のまま、怖い目で火花を散らしている









…この二人が俺の前で鉢合わせすると何時もこんな感じだ







多分このまま行くとまた戦いが勃発するんだろうなーとか、





そのあたりの事を承知しているクラスのやつらと
早々に避難したり、闘神符で防御壁作ってたりする











俺はこの後の大惨事のレベルを予測して、
もうちょい早く逃げときゃよかったと溜息をついた









―――――――――――――――――――――――――――
あとがき(というか楽屋裏)


狐狗狸:学パラ第二作目です〜、お題の文字からなんとなく
の掛け合いをやりたくて書きました


オニシバ:この話も三人の方が比重強いですねぇ


狐狗狸:うん、なるべく陰陽キャラも絡ませたいんですけどね〜(汗)


オニシバ:とゆうより中途半端な終わり方をしてる事にも
聞きてぇことがあるんですが…?




狐狗狸:ノーコメントの方向でっ(逃)


次回はちゃんとキャラとの絡みを頑張って書きたいと思います!
ここまで読んでいただいてありがとうございました〜