空を見上げながら 眠気に身を任せる





屋上の入り口の上は、俺のお気に入りのサボり場だ







…別に、授業がつまんねぇってわけじゃないんだが





今日の授業は 間違いなく出れば荒れる予測しか
出来なかったから、被害をこうむる前にサボったまでだ










空は雲一つ無い晴天 少し予測を凝らしても


俺の―六花のの姿を探すあいつ等の姿は無い











「今日は良く眠れそうだな…」







欠伸を一つしながら目を閉じた時だった











キン!と甲高い音とが近くで響く


何時も聞きなれている 闘神符の音だ







目を開けると 闘神符で出された襖がある





慌てて下に下りて 見を隠す前に上から声が振ってきた












〜サボり魔〜













「お前さん、そげんとこで何しとるんじゃ?





やべ、もう奴らに見つかった!?


俺は思わずハリセンを構えて、声の主を仰ぎ見た









さっきまで俺がいた屋上の入り口の上に


超天然パーマのおっさんが佇んでいた











「…何だ脅かすなよ、用務員のおっさんか」







安堵の溜息着きながら ハリセンをしまう









おっさんは上から降りてくると つかつかと俺に近づいて





思い切り両頬を左右につねった







「Σいていていててててっ!!」


「最近の学生は口の聞き方がなっちょらんのー
ちゃんと目上には敬語を使うとならわんかったか?」


「わかっわかったわかりました、スイマセンでしたっ!


「わかればいいんじゃ」







俺が謝ったのを確認して、おっ…用務員さんは
微笑みながら頬から手を放した





あー痛かった、まだヒリヒリするぜ;











「ところでお前さん、天流クラスじゃな?
授業はどうしたんじゃ?


「あーその、ちょっと み、道に迷って…」


「苦しい言い訳じゃのぅ 要するにサボりか」







うっさい 苦しい言い訳なのは俺が一番わかってんだよ
…いや、時々言い訳じゃない時もあるけど;





「…そうですサボりですが何か?







図星を指されたのもあって 逆に開き直ってみた









すると―





相手は豪快に笑い出した









……は!?何で笑うんだよ!!?









「いやーおんしは面白い式神じゃのー」


何が面白いんだよ お…っ用務員さん」





「呼びにくいじゃろ、ナギでいい
普通はそこまで素直にサボりを認める生徒は少ないんじゃがなぁ」









愉快そうに用務員のお…ナギさん、は口角を吊り上げる







「言っとくけど俺は好きでサボってるんじゃねー」











本当に、俺はサボりより迷う方が多いし


あと単位落とすほどサボってるわけじゃない







…サボってる生徒の中には
3年も留年してるツワモノもいるが





それから比べれば俺はまぁ 進級してるだけマシだと思う











「まあ、大抵サボりっちゅうのに大した理由もいらんき
好もうが好まんがワシはそれを否定する気は無い







「それ 用務と言えど教職についてる奴が言っていいのか?」










「教師は勉強を教える事だけが 仕事じゃないからの」










妙に誰かを思い出させるような 不敵な笑み













変なおっさ…用務員さんだ







けど、何か人間がデカイっつーか この非常識な学園
働いてんのがわかる気がする











「そういやナギさんは、何でこんな所にいるんだよ?」








質問してから思い返すが 来た時からずっと気になってはいた







普通 用務員は用もなく屋上になんか来ないし
(…生徒もだろってツッコミはナシな;)





来たとしても普通に扉から入りゃいい訳だから
ワザワザ符を使う必要ねぇし


そもそもナギさんは手ぶら











「ああ、ワシもおんしと同じくサボりじゃ
ここはワシのお気に入りの場所でなー」


「って あんたもサボりか、仕事しろよ





俺のツッコミにナギさんは かかか、と笑って







「まあそう固いこつば言うな それにワシが
仕事熱心だと困るのはお前さんじゃろ?」


「…う、そういやそうか;」





「とはいえ サボりを見逃す気も無いからのー
もう少ししたらクラスまで送ってってやろう」







ああ 結局こうなんのか





強制送還よりはマシとはいえ、今戻って大丈夫かどうか……;











「そう気を落とさんでええ、何度迷ったって
前ば向いちょれば 希望を見出せるもんじゃ










俺がへこんでるとでも思ったのか、肩を叩きつつ
にっとナギさんが笑った







「…別に落ち込んでなんかいねぇよ ナギさん」





その言葉に「ほう 言う事はいっちょ前じゃの」
返しながら頭を撫でられた









「おっと おんしの名をまだ聞いちょらんかったの」


「ああ、俺は六花のっていうんだ
…教師とかにゃ サボり魔で定着しつつあるけどな」









ナギさんは今だ頭をクシャクシャ撫でながら呟く







か、いい名じゃな」





「っ……褒めてもらっても、何もでねぇよ











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おまけ







第五学年 天流クラス教室





「…ナギ、あのサボり魔をつれてきたと言ったが
影も形も見当たらんぞ


「ん、ちょっと目を離した隙にいなくなったようじゃの」







生徒が凍りつかんばかりの冷ややかな空気の中
からからと太陽のようにナギは笑っていた









そして一方、伏魔殿







Σやべっ ちょっと油断したらナギさんと逸れちまったよ…;」







どっかのクラスに合流して校舎に帰らしてもらうか、と
肩を落としながらはつぶやいた









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あとがき(というか楽屋裏)


狐狗狸:絡みを増やしてみたんですが 逆に名前変換が
目茶苦茶少ない話
になっちゃいました…(ヘコみ)


ナギ:それならの名前を 初めに聞いちょればよかろう


狐狗狸:だってほら、ナギさん書くの初めてだったんで
口調と性格を思い浮かべて書いてたら 名前が一番後に来たんです


ナギ:にしては ワシのキャラクターが似つかんものに
なっちょるけんのー、わざわざワシを出さんとも話は
出来たんじゃないんか?


狐狗狸:う…ご、ごめんなさい でもどうしても
出したかったのよ


ナギ:ほー そりゃまた、どうしてじゃ?(ニッコリ)


狐狗狸:…サボり魔コンビだったから(目を逸らしボソッ)




狐狗狸はちょっと病院送りになってます(エ/汗)


ちなみに最後の先生はご想像にお任せします(何)
ナギさんファンの方々 本当にスイマセン!!それではーーー!