数人の教師が自分の机で仕事をし、
或いは授業や部活などの準備をしている最中







自分の席の椅子に背を預け







片手の成績表当人達の顔を見比べ







「…どうしてこんなに偏っているのだ?









溜息混じりに ショウカクが呟き
ずり落ちるメガネを空いた手で上げる









「ごごご ゴメンなさい…」


「だぁって、普通の勉強なんてつまんないもんv







申し訳なさそうに頭を下げると対照的に





悪びれもせず 隣でニッコリ言い放つ












〜「勉強音痴と運動音痴」〜













神流クラスの生徒である とその式神の







二人の成績は、はっきり言って両極端だった











は一般教養や闘神基礎などでは良い成績を
出しているが、体育や実技については右肩下がり









対を成すかのように 教養こそ底辺だが
実技などの成績はよい











先生の間では







「この二人を足して二で割れば丁度いい」







とまで言われている始末だ













それが同じ神流としても教師としても





ショウカクには、あまり面白くないのだろう









そんな経緯で、放課後







二人は職員室に呼び出されたのだった















、単位が取れぬほどではないにしろ
この実技と体育の成績は誉められたものではないぞ」


「ごめんなさい…どうしても上手く
体が動かなくて……」







立たされたまま しょんぼりとうな垂れる









女子にしては高い背丈も、そのせいか
かなり縮んで見えた











だが そんなことはお構いなしに
ショウカクは切って捨てる







鍛え方が足りんのだ、そんな事では
いざと言う時 己の身すら守れまい」







その一言でがすっかり萎縮してしまうと





逆にが眉を吊り上げて噛み付いてきた







「あんまりを責めちゃ駄目よショウカクちゃん
真面目に放課後、練習してるんだから!







をかばうに、しかしショウカクはたじろかず







「人の事を言える立場か、お前は以上
教養の単位が不十分だろうが」


「だって勉強するとすぐ眠くなるから
仕方ないじゃない」









真顔できっぱりと言う











ショウカクと何人かの教師が渋い顔をする









「それに同じ時間を使うなら、BLなネタ
考えてた方が楽しいじゃない♪」







そのの様子に が眉をしかめ







さん…あの さすがに授業は
ちゃんと受けた方がいいと思うんですけど」


の言う通りだ、まともな知識がなくば
危機に対処することも出来ん」







二人の言葉に が言葉に詰まると





ショウカクが畳み掛けるように言う







「それにお前は他にも色々と面倒を起こして…
相方のの身にもなってみろ」


「ううっ…







不利になったに助けを求め







情に流されたは、を一生懸命
擁護しようとやんわり申し立てる







「あの、さんは悪気があって
やってるわけじゃないし あまり責めるのは…」


「闘神士がそういう態度だから式神が
付け上がるのだ、言うべき時には厳しくする!







助け舟を出すに厳しく言うと、
ショウカクは説教を続ける









「お前がそうやって式神を甘やかし過ぎるから―」









そこで、二人の表情に気付く











申し訳なさそうに落胆する
側にいる半泣きになりそうだ











少し言い過ぎたか







とショウカクがすまなそうな顔をした









「まあ、今後は精進するように
それじゃあ行ってもいいぞ二人とも」







許しを得て ホッとしたように
顔をほころばせ、







が一礼し 二人で職員室から出ようとして











「待て









急に ショウカクが呼び止めたため
ビク、と反応して が振り返る









「あの…なんでしょうか?」


「まだ何かあるの!?」







不安げな友紀を守るようにが立ちはだかる









椅子から立ち上がったショウカクが
右手に何かを握ったまま近づく







「いや、大した用じゃないが…手を出せ







いまだ不安を拭いきれぬまま、それでも
は少し横に身を引いて





は素直に右手をショウカクの方に差し出した







「これをお前にやる」







言って ショウカクはの手のひらに
握った右手をかざし





そこに アメをひとつのせる









「お前は甘いものが好きだろう、それに
糖分は身体が力を出すのに必要らしいからな」


「あ、あああ ありがとうございます…!







顔を赤くしてアメを握り締めながら
頭を下げる









それを見たが頬を膨らませて







だけにずるーい!にも
アメちょうだいよショウカクちゃーん!!」


無茶言うな!もらいもので一個しか
持っておらんのだ!!」


「そんなのずるいずるいずるーいー!!







がリボンを出し、瞬く間
ショウカクを縛り上げて逆さ吊りにする







「こらー!放さんかー!!」


やっだもーん!アメが出てくるまで
揺さぶるんだから!!」









先程の恨みとばかりに がリボンを操り







上下に揺さぶられるショウカクが悲鳴を上げる









さん、止めてください!!











教師たちの怒号に混じり、
悲鳴がかった叫びが木霊した








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あとがき(というか楽屋裏)


狐狗狸:学パラネタだし折角なんで ショウカクさんの出番と
神流闘神士達も出演させてみました


ショウカク:何故私がこんな目に!?


狐狗狸:成り行きで(爆)ちょっと普段のショウカクとは
違うキャラだったけど、まあ教師として真面目ってことで


ショウカク:…は私の教える科目も単位が低いから
呼び出すのはわかる、しかしまで呼ぶ必要は無いのでは?


狐狗狸:それは作中でもあるよう成績が両極端だからと
の闘神士だから連帯責任として、あと…


ショウカク:あと?


狐狗狸:が暴れだした時に必ず止める相手
一緒で無いと危険だから呼んだことになってます


ショウカク:…その甲斐なく暴れているが?


狐狗狸:まあ ですから
それよりアメは誰から貰ったんです?


ショウカク:…秘密だ(照)




結局こんなオチでスイマセン本当(←夜が明けるまで謝罪しろ)




ここまで読んでいただいて ありがとうございました!