真実らしく聞こえる言葉が「正義」となる








〜ウワサのあの人達に密着!HTV〜








―HTV提供番組 ウワサのあの人達に密着!―







はーい ここアメストリスもすっかり
梅雨から夏へ一直線になってまいりました〜


私っレポーターの=ジャスティスです





ウワサのあの人達に密着!


今日は最近活発に活動中
人造人間のみなさんに密着してみましょう









〜この番組は 住みよい暮らしを作る
セントラルコーポレーション





以下、ご覧の提供によりお送りいたします〜









まずは脅威のボイン、ラストさんの
お仕事振りを拝見しに行きま〜す







「ラストさんこんにちは〜」


「あら、私これからちょっと
人と会う約束があるんだけど」


「なるほど 道理で気合の入った
おめかしをされているわけで」





たしかにいつもの厚化粧が三割くらい
濃ゆくなっております


カメラさーん ラストさんの顔ズームでよっ





「厚化粧は余計よ」


「うわっと!」





伸ばされた爪をスレスレで叩き切る(ナイフで)







あっぶないなあもう、危うく初っ端から
お待ちくださいテロップ流れるトコだよ





「なるべくならその爪を出さない方向で
お願いします、一々切り落とすの大変だし」


「あなたが一言多いのが悪いんでしょ?
まったく…」





それは失礼しました







じゃあ気を取り直して…





「ラストさんは主に外での暗躍が多いですが
今はどのような事をされてますか?」


「そうねぇ…強いて言うなら色仕掛け?


「おー、その仕事に当たって
工夫されてる点などありますか?」


「特に無いわね…大抵の男は
この美貌と胸でイチコロだから」







言って、組んだ腕で胸を持ち上げて
より自分のバストを強調しております





確かにリポーターの私よりも立派な胸です


カメラさんめっちゃ鼻の下伸ばして
釘付けになっちゃってるし(笑)







でもこの胸、実は偽装疑惑がまことしやかに





、余計なことは言わない約束でしょ?」







はーい、ごめんなさーい





もう言いませんので爪引っ込めてくださーい
ちょっと頭に刺さってまーす







「そんなことより 
あなたもちゃんと仕事しなさい」


「ニャハハ手っ厳しいなぁ も〜」







これから交際相手が来るそうなので
この辺で退散させていただきます〜





ラストさん ありがとうございました〜!











次は皆にえげつない、と言われてる
性格悪いエンヴィーさんに直撃!







「ちょっとー性格悪いって…
に言われたくないんだけど」


「ニャハハ 嘘は言ってません☆





ひとしきり笑ってから彼にマイクを向けて
質問をします





「で、今からどんなお仕事ですか?」


「んー?ちょっととある人間に化けて
内乱をひっかきまわしに行くのさ」


「うっわーやっぱえげつない」







ちなみに今いる現場は、その内乱の近くです





BGMに混じって 人の叫び声
銃声がそこかしこで聞こえます







「…そーいう実況とかやってる時点で
も十分えげつないと思うけど?」


「だってこれもお仕事ですから♪」





細かいことは気にせずに行きましょう!





「ラストさんと同じく暗躍の多いエンヴィーさん
ですが、主に何をされてますか?」


「やっぱ変身能力を生かして情報操作や
人間の扇動とか どっちかと言えば汚れ仕事?





見た目も中身も腹黒いだけあって
中々お似合いのお仕事ですね〜





それ、イヤミで言ってる?」


「ニャハハ もちろん!」


「ひっどいなぁ〜僕だってそれなりに
がんばって仕事してるんだよ?」







言いながらリポーターの肩に
さりげなーく手を回さないでください?








痛っ、マイクで叩くこと無いでしょ!?」


生放送中なのに場所をわきまえない方が
悪いと思いません?」





叩かれた手を擦り、眉間にしわ寄せつつも
エンヴィーさんは納得されたようです





「ちぇ、わかったよ じゃあ今から
仕事するから僕はこれで」


「はーい 本日はありがとうございました☆」


「あ、変身するトコ映さないでよ〜?
僕が仕事にならないから」







はいはい その辺は
ちゃんとわかってますよって







「所で仕事終わったら、後でどこかで
ご飯食べに行かない?」


オゴリならご相伴に預かりますよ?」





現場からレポーターのがお送りしました〜







このあともまだまだ続きますので
チャンネルはそのまま!









所変わって、





食いしん坊グラトニーくんにも
お話を伺いまーす







〜その人達、食ーべていーい?


「今はダァメです」







カメラさんが若干引き気味ですが
その辺は気にしないで行きましょう





あと、辺りがやたらとモザイクだらけですが





そこも気にしない方向で♪







「グラトニーくんは現在
どんなお仕事されてますか〜」


「ラストに言われて 食べてるの〜」





まぁまぁ口の周りを汚しちゃって〜☆





「わーバリバリ噛み砕いてますねぇ
おいしいですか?」


「うん も食べる〜?」


「心遣いはありがたいけど ソレをそのまま
噛み砕けるように出来てないから遠慮しまーす」





グラトニーさんが食べていたのは五人ぶ


…もとい、五人前です


(何かはまぁ ご想像にお任せします)





「いつもはどのぐらい食べるんですか〜?」


「えーっとね、いっぱい!







両手を大きく広げて 自分の胃袋の
大きさを表現してくれています





…ちなみに彼のいっぱいは


ラストさんいわく"街一つ分"らしいです





しかしまぁ、大きな身体をしているとはいえ
どこにそんな量が入るんでしょうねぇ







「この後のお仕事の予定は何かありますか?」


「ラストが迎えに来てくれるまで
ここで待つのー」


「ニャハハ それでその後の予定を
差し支えなければどうぞっ」


「そのあとー、んーまた食べるの





と、ここでカメラさんたちが
気持ち悪くなってきたので一端CM入ります!







自然な生え際!
ご覧ください、この使用感!


少しずつ増量するコースもあるので
あなたに合った増毛が可能です!


今ならヒゲ増量もキャンペーン中!


増毛するなら、ネイチャーヨキ





〜「最近、機械鎧が調子悪いなぁ」


「なんだか壊れるのが早くなった気がする」


そんなこと、ございませんか?


「それなら リゼンブールの
ロックベル工房へお電話ください」


どんなタイプの機械鎧でも
親身にご相談させていただきます


確かな技術良心的な価格なので
初めての方も安心です


「機械鎧に不安を感じたら」


今すぐ、下のお電話番号まで〜







はーいCMも明けたところで
次は穴掘り担当のスロウスさんに密着!





「採掘作業の調子はどうですか?」


「…めんどくせぇ」


「どんな風にめんどくさいんです?」


「答える、の、めんどくせぇ」







真面目に穴を掘り続けている
勤勉さは評価高いんですが





何を聞いても"めんどくせぇ"の一点張り





これはあんまりよくありませんねぇ〜







なのでちょっとイタズラを仕掛けて
会話を成立させたいと思います!







「トラップ発動!
土砂入りバケツ10連発!!」



「めんどくせぇ」





即席トラップが頭を直撃しても
ポリポリ頭を掻いてます、頑丈ですね





「ほ〜ら、頭にリボンなんか
つけてみたりしてっ!」


「めんどくせぇ」





リボンをむしることなく
スロウスさんは穴を掘り続けてます


ちょっと可愛いですね





「動きを止める、定番のトリモチ!


「…動きにく、い めんどく、せぇ」





流し込まれたトリモチをものともせず
黙々と採掘にいそしんでます









…その後





落とし穴に落としてみても トラバサミ
仕掛けてみても


普通の人なら死ぬだろコレ!って罠さえ
大した効果は無く


いくらイタズラしても"めんどくせぇ"しか
言わない上にこっちを無視して掘ってばかり





つっまーんなーいっ!





次行こ 次!









表の仕事が多忙なラースさんの所にも
突撃取材行ってみたいと思います!







「…どうやってここに入ってきたのだね」


「そりゃもちろんコッソリですよ
秘書の方アポ無きゃダメって言うし☆」







ぶっちゃけこの番組のウリは





"アポ無し・予告無しで突撃取材!"という
某食卓番組並のフリーダムさですから







君、最近の番組はそういうものが
流行っているのかね?」


「ニャハハっそんな感じですね」





大衆の皆さんの目を引くものは


昔っから派手なパフォーマンス性って
決まってますからねぇ





「それは構わんが…仕事の邪魔をするなら
容赦なく叩き出すからそのつもりでいたまえ」


「…と、言いながらいそいそと
ナニやってるんですか〜?」


「見て分からぬかね 君」





…開けた窓の縁に足をかけて 少し
身を乗り出してますね





「まさか、仕事ほっぽりだして逃げる
とかじゃないですよね〜これ生放送ですよ?」







たずねるとラースさんがニコニコと笑って







「ハッハッハ、あの机を見ても
そんな事が言えるかね?」



「えっどれど…うわっ、スゴ!







皆さん、ラースさんが指差した机の上に
置かれた書類の量をご覧ください!







大総統ともなると、その責務も
ハンパじゃない量があります









「この量を一人で片付けるとなると
確かに逃げ出したくも…ってラースさーん?





目を放した隙に逃げられました





てーか仕事ほっぽらかして逃げるって


雨の日は無能大佐とパターン一緒(笑)





慌てて私も部屋から抜け出してみると
補佐の人が泡食って大総統を探し始めてます







……これはこれでちょっと面白かったかも









ラースさんの所にも寄ったし、ついでに
プライドさんにも挨拶をば





「こーんにちは〜」


「こんにちは、やたらと陽気だね 君って」


「それが私の持ち味ですから☆」







ニコニコ笑いの相手に こちらも
ニコニコ笑いを返す







さっきまで大人(?)ばっかりだったから





子供がTVに出ると和みますねぇ







「今のお仕事はどんな感じですか〜?」


「そろそろ本格的な活動も増えてきそうだけど
今はまだ大総統の息子として勉強中かな」







姿とは全く釣り合わない 大人な発言
教育の賜物ですねぇ







「ニャハハ 真面目ですねぇ〜楽しいですか?」


楽しいよ?勉強の息抜きに本性を出して
アメストリス中を観察するのも好きだし」





観察って言えば、ウワサじゃR・Hさんを
ストーキングしてると聞いてますが?





「…聞かない方が、いいと思うよ?」







可愛らしい外見に似合わぬどす黒い笑みを
浮かべておりますね〜





性格の点で言えばエンヴィーさんよりも
腹黒いかもしれません(笑)







「あ、僕そろそろ勉強の時間だから
またね 


「はーい お話ありがとうございました〜」











…さて、番組もそろそろ終わりに
近づいてまいりましたが





張り切って参りましょう〜







最後は怪しげなお店のオーナー
セクハラニヤケ親父のグリードさん!





お前、その紹介はひどくね!?」


「あんたなんてそれ位で十分でしょ」


「しかも敬語使ってねぇし…」





はーい 時間もあるのでサクサク行きましょー





「それじゃ、まず今のところのお仕事を」


「んー?まぁ ほぼ紹介通りだな
この店のオーナーとして場を仕切ってる」





ソファにふんぞり返ったまま答える
グリードさんが 偉そうでムカつきますねぇ





「お店では主にどんなことをやってるの?」


「平たく言えばキャバレーだな、酒と
女と…あとは賭博とかもやってる」





なるほど、店内の客も柄の悪そうな
お兄さんとか多いみたいですねぇ





「この辺りじゃさして珍しくもねぇよ
ってか 何でそっちは敬語なんだよ


そんな事はともかく このお店には
合成獣人間も多いらしいですね





現に今もカメラを意識されている方も
何人かいらっしゃいま…


「映ってる?これ映ってる!?」


「コラっずりーぞビトー!」


「そーよ、私もTVに映りたいんだから」





訂正します 意識どころか
目茶目茶カメラにかぶり寄ってます


正直カメラさんとスタッフさんが引いてます





「皆さん、カメラにあんまり寄らないでください
そこのフードの人 もう少し下がって」







張り付き気味なフードの方と他ニ〜三名を
店内の大柄な方と協力して引き剥がします







「…だぁから、なんでそいつらには
敬語なのにオレだけタメ口なんだよ!


「細かいことは気にしない気にしない☆」





それでは、今日はこの辺で終わりに
したいと思います





「無視かよ!
なんでオレだけこんなおざなり!?」






次回のHTVは―







言葉半ばで、グリードさんが背後から
抱きついてきました





…あからさまに胸に当たってる左手
嫌がらせですか?







「ワザとに決まってんだろ?」


セクハラで訴えるよ?
手を離してよ 番組が終わらない」


「このまま終わらせようったって
そーはいくかよ 







ニヤついたその顔が カメラを見つめてから
再びこちらへ向き直り





次の瞬間





カメラの画面いっぱいに赤いものが飛び散った









―しばらくお待ちください―









えー、お見苦しいものをお茶の間に
流してしまい 失礼しました☆





グリードさんは体調が悪くなられたので
今日はもう部屋に戻るそうです







ああ、このシミは ケチャップですよ?





ケチャップ以外の何かに見えます?(黒笑)









さて次回は軍部の方々に密着する予定ですので
どうぞ、お楽しみに〜ニャハッ♪









(主題歌:「フルメタル・ロック」/
エルリックブラザーズ)







―HTV提供番組 うわさのあの人に密着!(終)―





(注:このお話はフィクションです


実際の版権キャラや表現には
一切関係ない…筈です)








――――――――――――――――――――――
あとがき(というか楽屋裏)


狐狗狸:しばらくぶりの鋼話でスイマセン
そしてパラワすぎてスイマセン


エンヴィー:ぶっちゃけ悪ノリの産物だよね
CMの提供とか主題歌まで書く?フツー


狐狗狸:うん 流石にちょっとやり過ぎた(汗)


ラスト:誰の胸が偽装疑惑ですって?(怒)


狐狗狸:わかりましたゴメンナサイ爪しまって
頭にちょっと刺さってますからイタタタタ


プライド:…ストーキングじゃありませんよ?


狐狗狸:そっちもわかったから本性しまって!
ととと 所でスロウスくんはいないのかな〜


グラトニー:スロウスはめんどくさいって〜


狐狗狸:なるほど…ってかまた何か食べてるし


ラース:しかし、君とは初めて会ったが
いい尻をしているな


狐狗狸:あの、どこ見てるんですか


グリード:結局オレってこーいう役回りかよ
部下の方が目立ってるって…


狐狗狸:しょーがないじゃん 
嫌われちゃってんだし(笑)




オマケネタや本編の展開やグロ表現も混ぜこぜで
お送りしました(甘い夢でなくてスイマセン


様 読んでいただいて
ありがとうございました!