動機が「正義」だろうが
なんだろうが 犯罪は犯罪でしょ?









〜第六話 人柱二人目〜








列車のドアを開けて、テロリストの一味が出てきた途端







「うっ…うわあぁぁ!!


「ちょっと待って、跳弾して危ないよ」





鉢合わせたアルに銃弾ぶっ放して、跳弾で怪我をした







「…って遅いか」


「ニャハハ、バカだねーちょっと考えりゃ分かるのに」





なんて事を二人で言ってたら、もう一人が出てきて







「おいどうし…でっ うわぁぁぁ!!





さっきの人と似たようなパターンに







「おじさんたちアホですか」


アホだからテロの手先なんだよ〜アル」









私は呆れるアルにそう言い放つと、怪我してうめく
おっさん二人を、カバンから持ってきたロープで縛った













現在私達は この列車をテロリストから奪還する為に
アルと一緒に前の車両目指してます!







ちなみにエドは別行動…え?経緯説明?





面倒ぃんだけどなー、確か…















「動くな!この列車は我々"青の団"が占拠した!
抵抗したら貴様等を撃ち殺すぞ!!」












とか何とかいいながら、銃を持ったテロリスト
だかだか列車にやって来た









「…なんか騒がしくなったね」


「それより、エド起きないね〜アル」









列車が動き出してから爆睡し始めたエドは
この状況下にも関わらず、全く起きない









「この状況でよく寝てられんなガキ」







テロの一人が銃を突きつけても起きません







「暫くは無理だと思うよ〜そうなったら
私がどれだけイタズラしても起きないもん☆」





微動だにせず 笑いながら私は事実を言った









「ちっとは人質らしくしねぇかこの…チビ!







あ…言っちゃった 禁断の一言





案の定 すごい眼つきで起きたエドが
突きつけられた銃を錬金術で変形させると


ゴッ、と勢いよくテロのおっさんを蹴り倒した







「ああ…やっちゃった」


「仕方ないってアル エドの習性なんだからあれは」







溜息付くアルの背中を叩きつつ同意したら、
残りの一人がエドに銃を突きつける









「逆らう者がいれば 容赦するなと言われている」





「まあまあ二人とも落ち着いて」


「何だ貴様も抵抗する気」







止めに入ったアルにテロが怒鳴りつける言葉半ばで


エドの右ヒザ飛び蹴りが炸裂!
そのままマウント取りつつボコ殴り連打!!





「だぁれぇがぁミジンコドチビかー――ッ!!」


「いけーエド ぶっ殺せー!


「兄さん兄さん それ以上やったら死んじゃうって
てゆーかもたきつけないで…」







暴れるエドとたきつける私に向かって、
アルは冷静に止めに入った





周りの人々が 鬼じゃ…とか呟いてるけど
その辺はもう気にしない気にしない☆








「て言うかこいつら誰?」







ようやく意識が覚醒したエドの一言に、アルが
ガックリ来ていた







「おはよーエド、やっぱり無意識反応だったんだね☆」


「だからこいつ等誰なんだよ 説明しろよ


「その人たち 何かこの列車に来たテロなんだって〜」


はぁ!?











そこで私とアルは テロの二人をカバンから出した
ロープで縛りがてらエドに事の説明をして、





ついでに二人に残りの仲間の情報も吐かせました☆









「はーい 吐かなきゃバッサリやっちゃうよ〜」







とか言いつつ、一人にナイフを首で寸止めしたら
あっさり気絶







「…あーなるか、またはオレに殴られたくなきゃ
さっさと仲間の人数吐け


「おじさん この二人本気だから、本当に
しゃべった方がいいよ?」









こんな調子で尋問したら 素直に喋ってくれました


いや〜やっぱ人間 追い詰められると素直だネ☆













「誰かさんが大人しくしてれば穏便にすんだかも
しれないのにねぇ」


「過去を悔やんでばかりでは先に進めないぞ弟よ!!」


「ついさっきはそんな過去じゃないって〜」


「うるせぇ黙れっっ!!」







とまぁそんな不毛なやり取りしながらも







「しょうがない、オレは上から アルと
下からでどうだ?」


「はいはい」


「了解〜テロの人は殺っちゃっていい?


『ダメ!!』











まーそんな感じで 現在に至ります
(ちなみにMYカバンは車両に置いてきました)














前の方に進んでいくと、向かう先で派手な
銃撃音とか鳴り響く







あーきっとエドだ、っていうかエドだね







「全く 無茶するね〜君のお兄さん」


「同感…」









ドアを開けた先に やっぱり銃を持ってるテロ二匹







「何だテメェは!?」





とか言ってアルに向かう二匹のうち片方が あっさりと
叩きのめされ、残り一人に







「助けてくれっ でかい鎧が…」





とか言って連絡とってたけど 迫り来るアルに
怯えて逃げ回った挙句 ぶち倒されました☆











アルばっかりずるーい 私もテロ倒したいー」


「危ないからダメだよ、はこの人達を
縛ってくれるだけでいいから」











テロ縛るのはもう飽きたよ〜退屈だなーもー





でも、二人にも殺っちゃダメって言われたしー


けど暴れたいよ〜












とか油断してたら 死んだフリしてたテロの一人に

後ろからとっ捕まり、頭に銃口向けられた







!」


「へっへ 大人しくろテメェら!」





「きゃー助けてーアル〜」







この展開はオイシイので ちょっと人質の役をやってみる





騒ぐんじゃねぇこの女」


「えー騒いじゃダメなんだ、つまんなーい」


「うるせぇ!その口閉じねぇと撃ち殺すぞ!!」







とか言われて銃口を押し付けられた…


ちょっと痛い







「やめろ、を放せ!


おいそこの鎧!動くんじゃねぇぞこの女の命が」









人質ごっこに速攻で飽きたしむかついたので


突きつけられていた銃を見事なまでに3分割





驚いている列車強盗から離れたら 間合いを詰めた
アルが思い切りぶっ飛ばす!











っ 大丈夫だった!?





物凄く心配そうなアルに 私はいつものように笑って答える







「いや〜騒げないと人質ごっこって
案外つまんないんだね」


笑い事じゃないよ…でも ナイフで
銃斬っちゃうなんて凄いね」







そう言いながら まじまじ
私の手にあるナイフを見つめる









「だってやっぱ銃って危ないデショ♪
それにこのナイフは特別なの


「そうなんだ、あ 何だか見たことの無い
錬成陣が彫りこまれてるみたい…」


「ものほしそうに見たって あげないよん♪」







言いながらナイフを鞘に収めると、唐突に











『あーあー 犯行グループのみなさん』


「あ、エドの声だ」


「本当だ」





エドの声が一方的に列車内に響き渡る





『―大人しく人質を解放し 投降するならよし
さもなくば強制排除させていただきますが…』







「何やるんだろう 兄さん」
「さ〜?」









一応 二人で柱の影に身を隠す、ややあって







あらら反抗する気満々?残念 交渉決裂
……人質のみなさんは物陰に伏せてくださいねー』







その声が終わると同時に、前の車両から





物凄い水音がした







、多分これからテロのおじさんが流れてくるから
ちょっと手伝ってね…あ 殺しちゃダメだよ」


「ニャハハ オッケー、任せてアル!









水音が目の前のドアまで近づいた時、
アルがドアを横から引くと





スゴイ量の水とともに テロが三匹流れ着きました







「いらっしゃい」


「でかい…鎧っ」


団体様のご到着〜」





バキメギョゴス、スパパンパン、ギメッ





アルと二人でテロの人達を片付け、前の車両へ









エドと眼帯つけたテロの親玉がドンパチしてました







「こっ…こんな小僧にィィィィ!!







機械鎧の銃を親玉が発射する前に エドの
右手の機械鎧刃が食い込んで、的を外す









「なんだ 安物使ってんなぁ」





その言葉を最後に エドとアルのコンボ攻撃が決まった










「お疲れ〜エド しかしあの水なんだったの?」


「おうか、アレはオレが炭水車を
錬成して作ったテロ強制排除装置だ」





言いながら エドが列車の壁から突き出た
水道管を指差した


ついでに上には、さっき使ってたと思う
エドに似てる伝声管が生えてた





炭水車を?また無茶ばっかりしてー
ちゃんと直しておきなよ?」


「わかってるって 駅についたら直すよ」







アルのお説教を受けながら エドが返事を返した













何とかイーストシティの駅について、
ロープで縛ったテロ一味を 憲兵に突き出していると







「や 鋼の」





と、エドに声をかけたのは…げ、軍人じゃん







「何だねその嫌そうな顔は…おや、こちらのお嬢さんは?」


「くあ〜大佐の管轄ならほっときゃよかったっ…
 お前すげぇ顔してんぞ?」


え?ニャハハ〜気づかなかったなぁ〜」





あーしまった ついつい顔に出ちゃったか





「可愛らしいお嬢さん あなたのお名前は…?」


「言いたくありません、私って軍人嫌いなんで☆」







朗らかに言うと、大佐と呼ばれたその男は
妙にガックリしてた








向こうでは アルと軍人の女の人が挨拶してて
話し掛けれそうな雰囲気じゃないなー









エドが私を親指で示してから







「こいつの名前は 旅先で知り合ったんだよ
まぁ…ちょっと気になる所はあんだけどよ」


「ほう…それで一緒に連れて来たのか?鋼の」


違ぇ!こいつが慰謝料払う為にとか言って
勝手に付いてきてるだけだ!!」







にやつく大佐にエドが一括…気になる事って?









「相変わらずつれないねぇ…っと、
まだ元に戻れてはいないんだね」


「文献とか調べてるけどなかなかね…」







言いながら エドが右手を握り締める







「噂は聞いてるよ あちこちで色々やらかしてる
そうじゃないか」


、相変わらず地獄耳だな」


「君の行動がハデなだけだろう」







大佐のその一言に いつの間にかやって来た
アルがうんうんと頷いている











「所でエド さっき言ってた気になる事って?」


あ?…なんでもねーよ」





『うわぁ!!』







イキナリ聞こえた叫び声に 皆が視線を向けると
テロの親玉がいつの間にか復活していた







「うわ…仕込みナイフ」


「ニャハハしぶといね〜さすがテロ」





「大佐 お下がりくだ…」







言いながら軍の女の人が銃を構えるのを
大佐が手で制すと





「これでいい」







とだけ言って 向かってきた親玉に右手を
向けて―指先を弾いた





瞬間 飛び散った火花が親玉の目の前で爆ぜる









私は、隣にいたエドに思わず問いかけた







「ほぇ〜…スゴイや エド、アレも錬金術?」


「ああ っつってもアレは大佐のみの術だけどな」









錬金術のバリエーションが多いのは知ってたけど…
あんなんもあるんだー









「ロイ・マスタング、階級は大佐だ」





大佐は組み伏せられた親玉に朗々と宣言する





「そしてもうひとつ 焔の錬金術師だ
憶えておきたまえ」










え、あれが―"焔の錬金術師"!?





そこで 私は彼も人柱だと言う事を思い出した








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あとがき(というか楽屋裏)


狐狗狸:列車話書きました!今回はアルと同行の展開から
何とか一話に収めてみましたよ


大佐:そしてようやく私の登場か、遅かったじゃないか


狐狗狸:ゴメンね大佐 てゆうか本当はここ
が軍人嫌いって出すつもりだったのよ


大佐:何ッ!?(驚愕)


狐狗狸:でも先に出しといた方がいーかなーと
思って炭鉱の話でやったら…長くなりました


大佐:どっちにしろ悪いではないか、全く
何故彼女を"軍人嫌い"になどしたんだ


狐狗狸:それは、の生い立ちに関係するんで
後々話すとして…所で大佐仕事は?


大佐:ん ああ、そんなもの抜け出して来た
決まってるじゃないか(笑)


狐狗狸:…あ、後ろにホークアイ中尉が(汗)




次回からあの話を書きます…多分また途切って
長くなると思います(謝)



様 読んでいただきありがとうございました!