※今回のネタには間接的?ながら地震ネタあり
…不快に思われた方はウィンドウクローズしてください


ついでに銀魂のアニメ復活心より祝い申し上げます


まさかの2年後設定だったのでその辺り書くべきか悩m



「うるせぇよとっとと話始めろバ管理人


「いつまで注釈で文字数稼ぐつもりネ セコイんだヨ」


「後半はともかく前半は必要じゃありませんか?
特に被災者側の方々にはタブーな話題ですし」


「フィリピンだか何だか知らねぇがプレート同士
若いつもりでズッコンバッコン激しくしやがって
自重しやがれ むしろオレへの当て付けかぁぁ!」


「聞いたことねーよ、んな地球規模の当て付け!」





大陸的なものにメンチを切る銀時へ
完璧なタイミングのツッコミが入る





「新八ぃ、そんなダメ大人放っといてさっさと
仕事終わらせた方が時間の節約になるアル」


「あれ?オレお前らの雇い主だよねぇ?

今回の仕事もオレが取って来たのに何だって
蔑みの目で見られてるわけ?ねぇ?」





自らの処遇に対し不満に思う意見を
いつも通り見事なまでに、二人はスルーする







日銭を稼ぐための今回の万事屋の仕事は


知り合いの大工の組合に混ざっての

街の壊れた屋根やら床やら壁やらの補修作業





「オレらはガキども連れて向こうのビルやるんで
旦那は若い衆とそっち側頼まぁ!」



「へーい」


「サボってしっぽり決め込んじゃダメアルよ〜」


「いやいや神楽ちゃん、流石の銀さんも
仕事中は理性持たせてるでしょ」


「…お前ら本当オレを何だと思ってんの?」





渋い顔をしながら銀時は、数人と共に
風俗店舗の立ち並ぶ通りへと足を運ぶ











「大変な時の優しさは沁みる」











「今日はどこ治す予定になってんの?」


「えーと確か、この近くのソープの一階の壁が
結構脆くなってるって…」


「ちょっと大工さん!早く来とくれ!」





作業員の説明を遮って叫ぶソープ嬢に呼ばれ


浴槽フロアへと駆けつけた銀時の目には







崩れた壁と共に雪崩れ、足を滑らせたらしく


ローション風呂らしい箇所で
うつ伏せに浮いている作務衣姿の少女が






「人として絶対ぇやりたくない
情けない死に方キタァァァァァ!!」






勿論…の脈は止まっていた











とりあえず騒ぎを収め、作業の邪魔にもなるので
救命措置として別室に相手を避けてもらい





予定より大掛かりになった工事の休憩で


様子見がてらに彼女のいる部屋を覗けば







「その服、お店のだけどキツくない?」


「…いえ、湯船のみならず服まで拝借いただき
この上不満などはありませぬ」


「って顔真っ赤にして縮こまってるじゃない
ひょっとして恥ずかしいの?カーワイイ」





そこそこ露出度のあるドレスに着替えていたので

銀時は内心、二度目の衝撃を受けていた





「どこの素人娘かと思いきや…何そのカッコ


「この娘の服ローションまみれだったでしょ?
だから代えのドレス貸してあげてるんです」


「ふーん、あっそ」


あら?照れてるんですかもしかして」


「誰が色気のねぇショーン小胸リーに欲情するか
そっちのお二人さんなら別だけど」


やぁだ!サボってないで仕事してくださいよ」





仕事があるから、とその場を離れる彼女らを見送って







彼はうつむくの背に 着ていた法被をかける





「運動すっと汗かくんだよ、今日陽気いいしな」


「かたじけない…」


おずおずと礼を言って法被の前を掻き合わせてから


ようやく彼女は、普段の調子を取り戻す





「…浴槽に溜まっていたアレは、何かの
粘液だったのか?石鹸よりも滑って難儀した」


色んな所の滑りをよくする液だからな
滑らにゃマズイだろ?色々と」


「なるほど、錆止め油と同義か」





微妙に噛み合わない説明も無表情で自分なりに
納得した様子を見て取って





「で、ちゃんは今回なんだって
ソープの壁をブチ破っちゃったワケ?ねぇ」


「成り行きで居合わせふぁ


「はーい省かないでキリッキリしゃべる」


事情を訊ねたらお馴染みのセリフが返ったので


銀時もお馴染みの反応(頬つねり)で返す





ちょっと赤くなった頬を擦りながら相手は答える





「よくは分からぬが…何やら浪士らしき一団に
囲まれた男がいて、物々しい雰囲気でな」


「あーハイハイその男助けようと割って入ったのね」


「それもあるが、事情を訊ねんと肩を叩いたら
取引を覗かれただの目撃者を消せだの言い出して
取り付く島もないまま斬り合いに」


何生臭い事態に発展してんの!?つーか
壁の破壊原因やっぱお前じゃねぇか!!」






力一杯頭が叩かれ、小気味よい音を響かせる





「…店の者には迷惑をかけて反省している」


「当たり前ぇだ…ったく何だって一々
見ず知らずの野郎まで面倒見ようと首突っ込むの?」


「お主らに教わったこと故」


「あ?」





怪訝そうな顔をする銀時へ はいたって
真剣な声色で淡々と答える





「偽善としても 目に入った相手が困っていたなら
出来る限りの事はしようと近頃とみに思うて」







盛大なため息のあと…ガッ!と頭に手が置かれて





「だったらまずテメーの身から護れ」


ぐっしゃぐっしゃと乱暴に黒髪を撫でられる





「…人の身を案じるのは悪い事では無かろう」


「自分の命護れないで人をどーのこーの
言うんじゃねぇっつってんだよ歩く死亡フラグ





それでも自覚なく傾く無表情な首に対して


眉間にシワを寄せながら 彼は相手へ
自らの意図を理解させようと言葉を紡ぐ





「例えば、次の瞬間に天変地異だかが起きて
江戸がまたぞろエラい目に合うとするだろ?」


「…割合 日常茶飯事な気がしなくもないが」


「そこは置いとけよ、オレのせいじゃねぇし」


とはいえ当人は毎度の騒動に、直接・間接含めて

ほとんど借り出されていると自覚済みだが





「とにかくだ 何かこー食うもんはおろか
自分の身すらままなんなくなっちゃったら
まず皆テメーの心配から先にするわけだ


そういう時必要なのは時に人を押しのけてでも
生き残るしぶとさ、まずそっからだろ」







自分なりの理論をぶち立てた銀時を


とっくりと緑眼が眺めて…こう返した





「…なら、お主のしぶとさを持ち合わせて
人を手助けすれば問題ないのか」





意見の食い違いっぷりに、引きつった顔で彼は
二人にも訊ねた言葉を投げかける





お前さ、オレを何だと思ってるわけ?」


「見た目通りやる気の無い箸にも棒にもかからん男
「オォイィィ!」…と思ってた 当初は」


不満顔を引っ込め、続く言葉に黙って耳を傾け





「ダメな部分もあるが、強い腕前と魂を持っていて
何だかんだ言いつつ 人を見捨てぬだろう?

故に全て含めて、今では大事な仲間だ」


「…何それツンデレ?今更天然バカ妹キャラから
ツンデレ移行とかしても萌えねぇからな」


「妙なことを言うなお主、火種などどこにある?」





額面通り受け取って辺りを見回す
呆れたように見やって…銀時はこう訊ねた





「…もうちょっとさ、他の見方とか無ぇの?」


「これ以上は特に無いが?」


表情一つ変えずキッパリハッキリ言い切る
相手の手をわざとらしく取る





「本当に 思い当たらない?」





浮かべた笑みは不敵ながらも


重ねて問う声は…若干強張っていた









見つめ返した後、は首を横へと振り





途端にその両肩はガクリと下がる





「誠にお主汗かきだな、手がぬるついている」


「…もうお前さ、今から三途渡って転生して
お利口で空気の読める巨乳健気っ子として
出直してきてくんない?最初から」


「ならお主も真人間として転生し直した方が」


「何ソレ?オレに死ねってつってんの?
三途を渡って出直せっつってんの?」



「あながち間違いではない」


「否定しろよぉぉぉぉ!!」





ちょっと涙目になっている彼だが、発言者は
全く気にせず思った事を口にする





「してお主、仕事はよいのか?」


ヤベっもうそろそろ戻らねぇとサボりバレる!」







けどあの壁、相当ボロだったから結構補修範囲
デカくて時間かかりそうだし…と


頭を抑えてぼやく知り合いを横目に立ち上がり





「困ってるようだが、私は稽古もあるしこれで」


「へ〜…その格好で外出んのかコラ」





はた、と彼女の足が止まった





「……どうすればよいだろうか?」


「ヘイヘイ、ちょっと待ってろ元凶」







一旦部屋を出て しばらく経って戻った銀時が


作業用の服を投げて寄越す





「話つけてきたから、責任とって壁直すの手伝え
つーわけでさっさと着替えろ」





手元の服と相手とを見比べ、は頷く





「了解した…が部屋を出て行ってもらえぬか」


あに?一丁前に恥ずかしがってんの?」





無言ではあったが 一歩引いた身と
伏せた顔が何より雄弁に物語っていた





「安心しろ誰もオメーのショーン小胸リーにゃ
期待してねぇし文章じゃ分かんねぇからパッと
脱いで着替えちまえ、なんなら脱がせてやろーk


「…部屋の染みに変えるぞ」





鼻先に一部の隙も無い殺気と槍先を突きつけられて


…いや、むしろ鼻の頭に若干槍先が刺さって
僅かに流血させられて





途端にいやらしい表情と手つきを引っ込め





「マジすんませんでした自分ちょっと
調子こいてました許してくださいぃぃぃ!」



銀時はその場に平謝りの体勢を取る







あまりのヘタれっぷりに…
ため息混じりに槍を納めてこう呟いた





「分かってくれたなら別にいい」









ちなみに後日、覗きの常習犯として
手配されていたとある男が自首したらしいが


"ソープ裏手である少女に助けてもらって
目が覚めた"と告白したとかしなかったとか








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あとがき(というか楽屋裏)


狐狗狸:なるべく地震は比喩的なモノとして
使う方向で書きましたが…重ね重ねながら
被災地の方々にお詫び申し上げます


新八:そこまで思うならワザワザ書かなくても…


狐狗狸:何ていうか…おこがましいかもだけど
今回のサブタイみたいな事を表してみたかったの


神楽:ならもっと表現力とか文章力つけて
おとといきやがるヨロシ


銀時:つーかよぉ…これ、オレ結局誰にも
優しくされてなくね?ねぇ


狐狗狸:余計なことさえしなきゃ、普通に
いい感じのムードだったじゃないですか


新八:自業自得ですよね


神楽:ま、銀ちゃんアルからな


銀時:テメェら…オレをいじめて楽しいか?




私に出来ることは限られてますが、一日も早く
被災地に笑顔が戻るよう祈ってます


様 読んでいただきありがとうございました!