銀魂高校 3年Z組は教師も生徒も曲者揃いだが
最近 3年Z組に転入してきたハーフの
留学生、 (妹)と(兄)
この二人も 負けず劣らず曲者だった
は容姿が半端なく麗しく、性別問わずもて
妙や阿音に目の敵にされていた
そしては そんな兄を半端なく
愛しているナチュラル・ボーン・兄バカだった
「あれ…僕の上履きが無い」
登校時 下駄箱でが困ったように呟く
「おかしいな 誰かがイタズラしたのかな…
無いと困るんだけどなぁ」
うろたえる伏し目がちの顔も 絵になるほど
美しい顔であった…が
実はこの困った顔は演技である
割とこういう嫌がらせも多いは
事態に慣れ、逆にそれを利用して同情を引くのだ
しかし 側にいるがの肩を叩く
「兄上 ご心配なされるな
今朝から上履きを温めておきました」
言いながらが制服の内側に手を突っ込み
中からずるりとの上履きを出す
「ちょっ、待てえぇぇぇ!さんアンタ
年頃の乙女が何してんですか!!」
近くから現れたらしい新八のツッコミに、
しかしは顔色一つ…所か
表情を全く変えぬまま
「兄上のおみ足が冷えぬよう
懐で上履きを温めていたのだ」
「豊臣秀吉!?」
そのやり取りを見ていた東城が悔しそうにうめく
「くっ…なんて見事な忠義の心だ
ならば…若!私は若のおみ足を直接温め」
言いながら足に抱きつこうとする東城を
九兵衛は問答無用で蹴り倒す
「パシられキャラは強くなったりならなかったり」
の兄バカは授業時・休み時間を問わず
兄に用件を聞き 兄にベッタリ付きまとっていた
兄が先生に呼び出し喰らった昼休みも例外なく
「兄上!私も…私も同行させてくだされ!!」
まるで戦場に夫を取られる妻のような
必死さのこもるの声
「いや、先生にちょっと呼ばれただけだから
すぐ帰ってくるから ね?」
やんわりゆうだが、は聞き入れない
「麗しき兄上がお一人で戦地に赴くなど
私は賛成できませぬ!」
「戦地って ここ学校ですよ、さん
たかが職員室への呼び出しじゃないスか」
「心の問題だ 新八は黙っていてもらおう!」
至極真面目な顔(いや表情ほぼ変わらんけど)で
は新八に反論し、に向き直る
は額に手を抑え 深いため息をついた
「じゃあ 消しゴムを買いに行ってくれる?
これ お金渡しとくから」
ため息交じりに はの手にお金を渡す
「了解した兄上、この命に代えても
必ずやあなたに消しゴムを買ってきます」
渡された金を握り締め 目に炎をともす勢いで
はキッパリと言い切った
「いや 命はかけなくていいから…」
「おーうぃー、早く来なさーい」
「今参ります 松平先生」
花のような微笑を浮かべ、
は松平先生について行った
そのやり取りを見ていた阿音が、ニヤリと
笑って を呼び止める
「ねぇちゃん、購買行くなら焼きそばパンと
新作のお菓子とコーヒー買ってきてよ」
「阿音殿 すまぬが私は兄上に頼まれているので」
にべもなく言い放ち教室を出ようとするが
「アンタの兄貴が 人の役に立って欲しいって
あたしに言ってたのよねー」
聞こえよがしな阿音の呟きに、が
勢いよく振り返る
「兄上が…真か!?」
「本当よぉ だから早く買ってきてよ
あ、お金は立て替えといてね」
「了解した!」
「ええええちょっ、さん気付いて
思いっきりパシられてるよそれ!!」
黒い笑みを浮かべる阿音を見て、
新八が思いっきりにツッコンだ
「こらこらー!そこ、何やってんの!?」
「風紀委員の目の前でパシリさせるたぁ
いい根性してんじゃねーか」
そこに、風紀委員の近藤・土方・沖田の
三人がなだれ込んできた
物々しい様子や集まる周囲の視線にも
全く動じず 阿音は堂々と言い放つ
「何よ、買ってきてくれたらあとで
ちゃあんとお金払うつもりだしいいでしょ?」
「開き直ってんじゃねぇ 校内で
そーいう真似は風紀が乱れるんだよ」
「いいじゃねぇですかぃ土方さん
アンタが生きてる時点で風紀乱れてやすし」
「DSライトで銀クエ片手にプレイしてる
テメェに言われたくねぇよ!」
土方の鋭い眼光と叱責をさらっと流し
DS片手に沖田は山崎を指差す
「山崎なんてミントンやってますぜ」
「山崎ィィィィ!」
「うわあぁぁぁぁぁ!?」
ラケット持った山崎が土方に成敗されるのを
確認してから 向き直って
「 オレァとりあえず土方用に
死出の旅立ちセットな」
「率先してパシらせんなぁぁ!
てかオレの命狙う気満々かテメェ!?」
に追加パシリさせる沖田
更にそこに留学生の神楽も割って入る
「お前らだけズルイアル!
!私 酢昆布200箱ネ!」
「酢昆布200箱って
神楽ちゃん何その無茶な要求!」
「ワタシハフェラガモノ新作デ勘弁シテヤルヨ」
「「購買で買えるかそんなもん!!」」
同じく留学生のキャサリンに
新八と土方のWツッコミが炸裂する
「私はそうね…ハーゲンダッツを5個ほどと
後 女性雑誌数冊でいいわちゃん」
「ちょっ 姉上までパシリ参加!?」
「お妙さん!それならオレがお妙さんの専属パシリに
なります、いや いっそ専属ボディーガー」
「テメェはすっこんでろゴリラァ!!」
申し出た近藤を 妙はマウントとってフルボッコにした
皆の言う無茶な要求を は逐一メモに取り
「ちゃん、オレ今週号のアルバイト雑誌で」
「了解したマダオ殿、九兵衛殿は
何か欲しいものはあるだろうか?」
「それじゃあ バナナを」
「あ、私は若の為にゴスロリセッ…ぐほッ!」
あまつ、他の者のリクエストまで聞いている
「このままじゃマズイよやっぱり、でも皆
話をまともに聞いてない どうしたら…」
新八が辺りを伺うと、教室の外の廊下を
安物のサンダルを鳴らしながら銀八が通りかかった
「ちょっと先生!さんが皆に
パシリにされそうなんです 何とかしてください!」
一縷の望みをかけて 新八が銀八に向かって叫ぶ
果たして、銀八は教室に視線を向けると
すぐさま3Zの教室内に入り
「おいおいおいテメーら、何クラスメイト
パシらせてんだこのヤロー」
騒ぎ立てる生徒達に一括を喰らわせた
銀八の一括で クラスが静けさに包まれる
「一人は皆の為に 皆は一人の為にっつーだろ
オメェら恥ずかしくねーのかよ」
言いながら、銀八はの側まで歩み寄り
の頭に手を置きながら 言葉を続ける
「そーいうわけで…オレはジャンプ頼むわ」
「ってアンタもパシらせるんかいィィ!!」
ツッコむ新八を無視して、銀八は続ける
「ジャンプをちゃんと買ってきたら
あとでいーもんやるから、な?」
「? よく分からぬが了解した」
そのままが購買へと走り出し、
皆が自分達の事を棚に上げて
「先生までパシリさせるなんてひどいアル」
「あんたそれでも教師ですかぃ」
人でなし!先生の風上にも置けねぇ!
あんたに教師の資格はない!SQで小説連載万歳!
などのブーイングの嵐が起こった
「いや あんた等もパシリやらせてたよね!?
なに先生だけ非難してんの!!?」
新八がツッコミを入れるも、皆は
オール無視で盛り上がる
そんな罵詈雑言な嵐の中
「いーもんって 何渡す気ですか先生」
土方が聞くと、気がついたように
「あ そういや、オレ今 何も持ってねーわ
このレロレロキャンディーじゃダメかなー」
言いながら 銀八は口に咥えていたタバコ…
いや、タバコのような白い棒を引っ張り
口からハンパないデカさのアメを出した
「よりによって食べかけのアメ渡す気!?
ダメですよ 汚いじゃないですか!!」
「汚くないですぅこれでも先生ちゃんと
歯磨きかかさずやってますぅー」
「先生!私が急いでジャンプ買ってきますから
是非そのアメを私にください!!」
「おーい 誰か保健委員を保健室に連れてけー」
頬を染めて言うさっちゃんに対し、
淡々と銀八先生が他の生徒にそう言った
「ちょっと皆さん」
『あ?』
かけられた声に 皆が声の主を見て…固まった
発言者は、心は菩薩並に優しいが
顔は鬼より怖い屁怒絽君だったからだ
…あ、ゴメンなさい こっち睨まないで
「皆で寄って集ってお金も渡さず
ちゃんに用事を押し付けるなんて
良くないですよ ね、先生?」
屁怒絽の凶悪ボイスとフェイスに
皆の顔が青ざめる
「う、うんそうだね 止めなきゃね
止めに行きますよ だから殺さないで…」
引きつった顔で 銀八が呟いた
「っつって来たはいいけどよぉ、どうすっかな」
時間帯が時間帯だけに
「これ 購買の込み方じゃないよね
コミケやジャンフェスの込み方だよね」
購買からその周辺通路はごっさ込んでいた
「この人ごみの中探すのは面倒くせーなオイ」
熱気と騒がしさ溢れる人ごみに
ウンザリしたように銀八は進んでいった
直後、いきなり向こう側の人ごみが吹き飛ぶ
間髪いれず起こるパニックに逃げ惑う人々
銀八はその中心が見える位置まで進み―
もんのすごくイヤーな顔をした
そこにはモップを握り締めて
人を次々とぶっ飛ばしながら購買コーナーに
進んでいくがいた
「ちょっちゃぁぁん!何モップ持って
暴れてんの!?」
「しかたなかろう こちらでは槍を
持ってはいけないと兄上が言っていたから」
「オレが聞きてぇのはそこじゃねぇよ!」
「スマヌが兄上と皆が待っている、話は後ほど」
「いや これパシリするどころの話じゃ
ねぇだろうがぁぁ気付け!」
銀八の叫びを無視し、は購買のコーナーへ
人ごみ蹴散らしつつ進んでいき
吹き飛んでくる人々と逃げる人々とで
すぐさまと銀八に距離が出来る
「だあぁぁ聞けよあのブラコンんん」
流れてくる人々を何とか掻き分けて進む銀八に
「うおぉぉい!どうなってんのお宅んとこの生徒!!」
と叫んで近寄ったのは 日本史教師の服部全蔵だ
銀八が頭をボリボリ掻きながら
「あー丁度よかった アンタの座薬貸してくれ
アレ投げての動きを止めるからよぉ」
進みつづけるを指差す
「誰が貸すかそんな勿体ねぇ!アレは
投げるもんじゃなく入れるもんなの!!」
と、一旦主張しておきながら、
「てゆうかこの騒ぎは何だよ、オレも購買で
並んでたら巻き添え食らったんだけど?」
気を取り直して改めて全蔵は
事の次第を銀八に尋ねた
「なんつーか兄貴のパシリに皆が便乗しちまってよぉ
それの結果ってやつ?」
「どんだけブラコン!?Z組話なのに
ブラコン度が抑えられてなくね!?」
「こんなダメ管理人サイトのグダグダ話で
のブラコン抑えられるかコンチキショー」
よく分からない愚痴だか言い合いを
繰り広げる間も 被害は広がっていく
…てーかさ、一言所か三言分余計です
「何にせよあの暴れん坊将軍を
止めるしかねーな、ありゃ」
「仕方ねぇ…今回は協力するぜ 坂田先生!」
言う全蔵の両手には いつの間にか
チョークがズラリと握られていて
間髪いれず チョークは両手から離れて宙を翔けた
飛び来るチョークをは全てモップで叩き落す
「飛び道具では 私は止められぬ」
しかし、その隙を突いて銀八が
懐まで潜り込み 足払いをかけた
「もらったあ!」
が、瞬時にがバック転をして足払いを交わす
「「何 あの身のこなし!?」」
「兄上の為 皆の為、私の邪魔はさせぬ」
二人の教師から距離を取り が
モップを構え直した
噴き出す闘気は本編の戦闘力を
そのまんま受け継いでる
「オイオイ ありかよそんな設定…とにかく
なんとか油断した隙にモップ奪うしかねぇか」
「100%かかるいーい手がある、任せろ」
「…何かは知らんが 頼むぜ坂田先生」
銀八が一歩進み出て
首を横に向け、ぼそりと呟いた
「あ、兄貴」
全蔵が心の中で そんな古典的な手に
幾らなんでもかかるかぁぁぁ!とか叫んだが
「えっ兄上が!?」
引っかかって思い切り首を
左右に振るは隙だらけだった
呆れながらも全蔵がモップを奪い
間髪入れず銀八のラリアットが決まって
が気絶する
「まさかこんな古典的な手に引っかかるとは…」
「どこまで兄バカだこいつ とにかく
保健室にぶち込んどくか」
先生二人がため息をつきつつ
気絶したを保健室へと連れて行った…
さて この事件のあと、はと言うと―
「、スマンがキャメラを買ってきて
くれるか 代金は後でキチンと渡すから」
「了解した 桂殿」
相変わらず、皆にパシられていた
「いいのかよそれで!!」
「もーいーよ 暴れなきゃどーでも」
新八のツッコミに 銀八のやる気0な
返事がかぶった
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あとがき(というか楽屋裏)
狐狗狸:やっちゃったなーやっちゃったよ3Zネタ
ついつい書いちゃったよー
銀八:てか 詰め込みすぎじゃね?この話
オレとの絡みも少ないしやってらんねぇー
新八:出てるキャラに明らかヒイキが
含まれてますよねコレ
神楽:出番もっとよこせやコラ
狐狗狸:文句言わないでよ、なるべく全員出るよう
がんばってみたんですから そこ誉めてよ
近藤:やっぱここでもオレ お妙さんに殴られんだ…
妙:てゆうか私より阿音ちゃんのポジションが
大きいってどういうことかしら?
阿音:話の流れだから仕方ないんじゃないの?
狐狗狸:女二人で睨まないでください…怖いんで
土方:別に話の展開上指導してただけで、
妹を助けようとしたわけじゃねーからな
沖田:ツンデレかよ土方このヤロー
東城:納得いきませんね もっと若の出番と
見せ場を増やしてもらいたいですな
九兵衛:東城…別に僕はそんなことを
望んでいないぞ
山崎・桂・長谷川:出番少なくね?てか一まとめ!?
松平:おじさん 寂しいとぐれちゃうよ?
狐狗狸:一斉に言われても困る てかこの楽屋の
グダグダのせいで無駄に容量増えるんですが
全蔵:…何気にオレ 出番多いけど、ひょっとして
好かれてたりするのか?
狐狗狸:や、弄りやすくて動かしやすいから
妙に相性が合うだけのことですよ(キパ)
さっちゃん:ちょっと 私も出番少ないわよ!
狐狗狸:…さっちゃんも書きやすいキャラだけど
絡み自体は危ないからねぇ(汗)
屁怒絽:話に出してくださって ありがとうございます
狐狗狸:じ、次回は出番増やしときますんで…
ゴメンなさい 殺さないでください(恐)
学パラ系は割とノリがいいので好きです
様 読んでいただきありがとうございました!