某日の とある高級料亭の一室にて





「…つーわけで、外交の一環としてぇ?真選組と
テメェんとことで合同演習しようって腹なワケだが
やってくれるな、やってくれるぅんだよなぁ?


「あの…それは良いんだけど、ゼロ距離で
メンチきるのやめてくんない?」





幕府の決定により、警察庁長官・松平は渋々
MSF司令官のを交えての会談を行い


真選組・MSF間の合同演習が正式に決定した







明くる日、は副司令官のカズと
隊員一同を連れ 真選組の屯所へと向かう





「さて、奴らのレベルがどんなものか見物だな」


はぁ…面倒なことにならなきゃいいんだけど…」





真選組の実力に期待十分なカズを横目に、彼は
逆に不安を隠せずにいるようで


そんな折 通りの向こうから彼らの前に

見覚えのある作務衣の少女が現れた











第一訓 現実は想像以上に荒唐無稽だYO











「む、殿にカズ殿か こんにちは」





の姿を認めた直後、間髪入れずにカズが
笑顔を浮かべてすぐ側まで接近する





おおじゃないかグッモーニン!
その緑眼、相変わらずチャーミングだぜ」


「ちゃぁみんぐ?」


「魅力的ってことさ 何だ気づいてないのか?」


無表情に首をかしげる彼女の肩を さり気なく
抱き寄せようと伸ばしたカズの腕は


当人によって難なく避けられて空ぶった





ゾーンの使い手とは…こいつはビックリだ」


「俺はお前の手の早さにビックリだわ
つーかカズ、さり気に口説きにいくな」


「よくわからぬが…お主ら団体でいずこへ?」


「真選組の屯所さ、外交の一環でMSFと
合同演習を行うことになったんだ」


「それは中々に大変だな お疲れ様」





お登勢の所へ急ぎの用があるから、と

軽くおじぎして足早に去るを見送ってから


彼らはほどなく屯所の正門へと辿りつく





「じゃあ、近藤さんに挨拶言ってくるから
少しここで待っててくれ」


「了解です、ボス」







隊員達をその場で待機させ 門をくぐって彼は





屯所の玄関口で、真選組の制服をだらしなく
着崩したサングラスの小男と対面した





「…何だテメェ何か文句あるのかYO?


「え…」





"こんなヤツ隊士にいたか?"と言いたげな青年を
男はクチャクチャとガムを噛みながら一瞥し





「どきな」


そう言って、入れ違うように門の外へ出て行く





「何だったんだあいつは…?」


「よ、よぉ…すまねぇな待たせちまって…」


声の方へ振り返り、彼は再び硬直する





眼前の土方は…何故か頭からダラダラと流血し

今にも"ブチ切れ寸前!"な表情だったからだ





「って何があったんだ土方さん!?


「ちょっとワケありでな…ったく松平の
とっつぁんもこんな時に面倒なことしやがる…」





吐き捨てるようにぼやいて 土方は頭を乱雑に掻いた







話によれば 先程の男は佐々木鉄之助、自称TETU


幕臣の内でもエリートを輩出している名門の御子息


…なのだが 彼だけはまともな職に就かず
悪さばかりを繰り返す悪童っぷりを発揮し


あちこちたらい回しの末に真選組に預けられ


半ば成り行きで、土方に面倒が押し付けられたとか







「カッコといい態度といい人をナメ腐るにも
程があんだろあのバカ息子…あれなら
ぶん殴れる分 槍ムスメのがなんぼかマシだわ」


「…大変だな真撰組も」


「世界相手に派手にやってるテメェらが言うか?」





毒づく土方へ、彼はやって来た近藤と共に苦笑い





「まぁ 色々話したいこともあるから
入ってきてくれ君」







初日は互いの演習の日程の確認と、顔合わせで終わり





翌日の昼食時には、屯所の食堂を利用しがてら
早速MSFの隊員と真選組隊士との意見交換が行われ


らもトレー片手の山崎と土方を見かけて近寄る





「副長、小姓ついたってホントですか?」


「あ、ああ」


「「小姓?」」


「あ、旦那方は知らないですよね
小姓って言うのは秘書みたいなもんスよ」





山崎の説明に、彼とカズは納得する





「でもよかったですね、前から
忙しい忙しいって言ってましたもんね」


「土方さん、その小姓ってのは?」


「…配給係やらせてる」


そこで三人が 厨房へ視線を向けてみれば





件のTETUは、音楽を流す外人二人と路上で
たむろってる感じで談笑しているように見えた


アレ?何かオレらに馴染みのある風景が…」


「あのぉ…あそこだけエラくニューヨークスタイル
盛り付けになってんですけど」


「そんな目で見るな山崎君、俺は関与してない」





否定する傍ら、このトンでもない不良小姓
引き受けた土方に 彼は同情しつつも感心し


山崎はさして気にも留めずにカレーを催促する





…が、途端に小姓(?)三人がヒソヒソと話しだし





何?ちょっと何してんの」


外人の片割れがナイフを突きつけて山崎をホールドし
もう片方がボディチェックを始めた





「HEY!HEY!HEY!」


何!?何も持ってない何も持ってないよ!
ライスしか持ってないって!!」


「HEY」





外人の一人が山崎から取り上げたライスを受け取り


TETUは、そのライスを指につけて軽く舐めた





「何でヤクの取引みたいになってんの!?」


「「「CHERRY BOY!FU〜!」」」


「誰がチェリーボーイだ!!」


「つか何で今のでわかるんだ?」





もっともなの疑問に、カズも無言で頷く





そして間を置かず外人の片割れが山崎へ近づき

彼のポケットへ無遠慮に手を押し込む



「ちょっと!何入れてんの!?いらないって!
オレそーいうヤバイのいらないからちょっとやめて!!」






相手はその言葉を無視し…お玉に盛られた
カレーのルーを流し込んでゆく



「ってカレーかよぉぉぉぉぉ!!」





もちろん出来たてをポケットに入れられた
山崎は、火傷でもだえ苦しむ羽目となった









騒ぎは昼食だけに留まらず、午後 MSFの隊員も
参加しての剣術の稽古中にも起こった







「…いかんいかんいかんんん!!小手先で剣を
振るなと言っただろう!身体全体でも剣をさばけ!!






近藤からの叱責が入り、竹刀を素振りしていた
全員が手を止めて 姿勢を正す





「剣術は気組みだ!
呼吸を練りその一振りに全てを込めろ!!」






一言一言にこもる気迫に "これが日本の剣術か"
と改めてMSFの面々も感心していた





チャラついたスポーツじゃねーんだ!
こざかしい小技なんt」


が、言葉半ばで何故かバスケットボールが
近藤の右顔面を直撃して 周囲の空気が一瞬固まる







「ヘイヘイパス!」 「ヘイゴリカモ〜ン!」





これまた何故か道場でバスケをしている小姓三人組へ

無言でボールをパスして、近藤は改めて口を開く





いいか、もう一度言う!チャラt」


再び顔面に当たったバスケットボールで言葉が止まり





「ヘイヘイゴリ!」 「ゴリパス!」





彼らへ無言でパスして、近藤は改めて言った







「いいかぁぁぁ!最後にもう一度だけ言う!
左手は添えるだけだ!!






その発言で彼を含めた真選組のほぼ全員
バスケットボールをゴール目がけてシュートして





《チャラついたスポーツに落ち着いたぁぁぁ!?》


間違った連帯感に、指令・副指令も含む全ての
MSF隊員が心中でユニゾンツッコミを繰り出した









……言うまでもなく 昼食から土方の不快指数は
うなぎ上りで上昇しっぱなしで


パトカーに乗っての仕事…もとい、車内に音量
MAXで垂れ流された音楽のせいでドライブに
成り果てたパトロールでも同様だった





ちなみに後部座席の真ん中に座った


両側の外人二人によるダンス接触事故のせいで
同じくイライラがマッハ上昇中だ





「オイ TETU…
もうちょっと音小さくなんねーか?」


ええ?よくきこえねーんだけど?」


「だからもうちょっと音しぼれねーのか!?」


「オーケイオーケイ!TOSHIも
気に入ってくれた?キてるだろこのリリック!」



「いやTOSHIはそもそも
ヒップポップ大嫌いだから!」






音量を最小にされ機嫌を損ねるTETUへ


TOSHI…もとい土方は、静かに問いかける





「オイ…鉄 お前一体いつまでこんな事
続けるつもりなんだ?」





もはや真選組にしか行き場所もなく、これが
最後のチャンスであり


自分のやり方では社会に通じないと自分自身が
一番思い知っているハズ







…諭すように、いつになく真面目に語る
彼のその様子にはキョトンとしてしまう





「シット、お説教なら飽きたぜ」


自分のやり方に指図はさせない、とうそぶいて
"これが自分の生き方"と返すTETUへ





タバコをくわえたまま、土方が言葉を紡ぐ





「壁にぶつかった時にだ そいつを見ないフリしたり
開き直る奴はいつまでたっても前に進めねぇよ」






社会(カベ)は何も変わらない、進みたいなら
自分が変わるしかない


生きていればこの先 何枚もある壁を

皆が社会と自分とのやり方の間で折り合いをつけて
這いつくばって前に進んでいる、と


"本当の意味で自分らしく生きる"事を彼なりに語り





「今のてめーは耳障りのいい言葉並べてそいつを
言い訳に壁の前で駄々こねてる、ただのガキだ

置いていかれてーなら一生そこにいればいい


今までならばそれも許されたのだろう、と続ける
土方の声が 張り詰めた空気の車内に響く


自然に後ろ二人組のダンスも止まっている





「だが、真撰組(オレ達)の戦場で遅れるをとる事は
すなわち死を表す…これ以上、真撰組の足
引っ張るようならオレぁテメェを斬らなきゃならねぇ」





士道不覚悟は切腹


―その不退転の覚悟があったからこそ

鉄並みに頭の悪い 悪ガキだった自分達は進んでこれた





青年は 彼のその言葉に対し胸の裡で呟く


(大半、土方さんの私情が挟まっていたような気が…)







黙って聞いていた鉄は 彼のその言葉を
"自分には関係ない"と片付けなかった





「…だったら、斬ればいい


意外な台詞に、両者が少し驚いたのも束の間





「どうせオレはアニキみてーにはなれねぇ
佐々木家にも真撰組(ここ)にもどこにも入れねぇ

オレは生まれついての落ちこぼれなんだよ!





己の好きに生きて好きに死ぬ、と自棄を起こした
TETUが音量をMAXに戻して暴走する





「誰にも文句は言わせねーYO!HEYィィィ!!」


いい加減にしやがれ!!止めろ!車止めろ!!」







言葉の届かないTETUを黙らせようと彼が
拳銃を握った直後 運転席側の窓が開けられた





YOYO!兄ちゃん何こっち見てんだYO!
文句あるのかYO!」


「オイやめねーか!」


「言っとくけど、こっち警察!
おたく軽率!ブタ箱警告イエーイ!!」






TETUが挑発している相手を見て、土方と
は同時に凍りついた





え、何?何て?」


「どうかしたのか銀時?」


そこにいたのは紛れもなく…スクーターに
乗っている銀時と、






((バカmeetヤバイ奴らぁぁぁぁぁ!?))


考えられる最悪の厄介者との遭遇に、心中で叫び


彼らはこの後起こるだろう騒動に恐怖していた








――――――――――――――――――――――
あとがき(というか楽屋裏…スペシャル!?)


退助:ってなわけで許可ももらったし、この度
バラガキ篇を原作で創作させてい


銀時:ちょっと待てバカ作者ぁぁぁぁ!
何しれっとテメーが後書き始めてやがる!?


近藤:だよなぁ、今回は管理人の枠で掲載されてる
ワケだし…初っ端から出張るのはどーかと


狐狗狸:そー言うこと、仮にも管理人ですから
流石にそこは譲れないっすね


退助:ぐぬぬ…最近 創作ゾウガメ並みに
遅くなってるくせに…!


狐狗狸:ほう…一年近く音沙汰すらなかった人が
言っていいセリフなのかなー?それは


山崎:しょぼい張り合いしてるよこの人ら!?


TETU:よぉし、こうなりゃ一足早くラップで
ディスり合って勝負だYO!勝った方が後書きの
担当って事で文句ねぇな?HEY!


退助:うし、こうなったらやってやろうじゃん…
オレのラップでほえ面かけやバ管理人!


狐狗狸:へー、そいつは楽しみだ(棒読み)


退助:YOYO!お前何処の馬の骨?
ヒル○○ブ、ヅ○、ゼ○○ック、ビ○・ラ○グ?



○ダ:FU〜!(巨大な腕でFU!)


退助:ぎゃぁぁぁぁ!!


土方:FU〜が凶悪過ぎんだろ!?


沖田:ていうか、これ何ディスってたんでぃ?


退助:公国軍に採用されなかった哀れな機動兵器さ(キリッ


銀時:哀れな機動兵器さ(キリッ じゃねーよ!
テメェのロボ好きは聞いてねぇんだよ!!


狐狗狸:HEYお前、人のペース笑えんのか?
書けてんのか?諸々の話 口だけで語る
仕事に逃げる、いつまで待たせる?あの話!!



退助:ガチでディスりに来た…グフッ!(公国軍だけに)


土方:呟きまで貫いてんじゃねぇよ!


銀時:ロボネタ押すなら蓮舫篇でも書けぇぇぇ!!


沖田:一応よくやったけど結局は同類FU〜!(殴)


狐狗狸:ぷぎゃあぁぁぁ!!




…とりあえず、後書きは私が主導で(笑)
次回の展開はどうなることやら


様 読んでいただいてありがとうございました!