バレンタインデーっつったらチョコだよな
好きな奴からチョコもらう日だよな





したら、もらいに行くだろやっぱ









「大串く〜ん チョコレートくれよぉぉ」


誰が大串だ!てか何しに来たテメェ!!」


「そりゃーもちろんチョコたかりに」


「斬るぞテメェ」







相変わらず つれない返事ばかり返す土方くん





でも、オレは諦めないぜぇ〜







チョコくれるまでひっついてくれるわコノヤローが」


「…だあぁうっとおしい、ちょっと待ってろ!





頭を一つ掻くと、あいつは近くのコンビニに入る





コンビニから出てきたあいつが、袋から
四角い箱を出して オレに投げて寄越した







「ほらよ コレでも食って帰れ」







赤いパッケージに、デカデカ書かれた
白抜きの商品名は"Pokky"





「ってこれポッキーじゃねぇかぁぁ!
つーかその袋の中身なんだよ!!」


「あん?これはオレの買いもんだコラ
ってオイ勝手に漁るな!!





セリフをオール無視して袋の中を
スミからスミまで覗き込んでみても


あるのはただただ 業務用マヨのみ











「ポッキーゲームってぶっちゃけあれ
チューする為の口実で作られてるよね?」












「おまっどんだけマヨ買ってんだよ!


「うるせぇよマヨはあるに越した事はねーの」





んだよホント、このマヨバカが





「どうせ市販チョコ買うにしても
もっといいもん買えよな ポッキーって…」


「買ってやるだけありがたいと思え」







あ、今の言い方なーんかムカツクなぁ





どうにかして一矢報いてぇな〜


そう思いつつ ポッキーの箱を見つめる









…まてよ、ポッキーっていやぁアレできんじゃね?







「んだよ大人しくなりやがって…気味悪ぃ」







ククク、その余裕の顔も今のうちだ









箱を開け、一本のポッキーを取り出すと





「なぁ、ポッキーゲームやらねぇ?」





オレは土方くんにそう言って一歩近寄ってみた







「負けたら大人しく帰ってやるよ、
ちなみに 勝ったらオレとデートな?


「…バカバカしい、こちとらヒマじゃねぇんだ
さっさと帰りやがれ」







お、そう来ますか





…けど甘いな テメェのそういう性格は
お見通しなんだよ









「あ、ひょっとして大串くん 負けんのが
こえーんだー」








去ろうとした後姿が、ぴたっと止まった







「…んだとコラぁ誰が負けるの怖いって?


「いいよ別に無理して強がんなくたって
勝てない敵から逃げるのも一つの手だし?」







振り返ったその怒り顔に挑発を重ねると







「オレはテメェになんか負けねえんだよ!」





土方くんはズカズカこっちに近づいてくると
オレの手からポッキーを奪って自ら口に咥えた





「さっさとやるぞコラ」


「了解了解 大串くん」


「誰が大串くんだ!!」







もう一方の端を口に咥えて、お互いの顔を
付き合わせる







お互い端を離さず、食った長さが
長ぇ方が勝ちだかんな?」


上等だコラ ズルするんじゃねーぞ?」









くっくっく…かかったなぁぁ





これで勝っても負けてもキス確定!
まあ、勝つ気満々だけどね銀さんは





ポッキーを先にかじり切ってベロチュ―して


さらにデートで確実にお前の心を
ゲッチュしてやるぜぃ!







足で真ん中の線を引いて、準備完了







「よーし バッチコイ!





端を咥えながらオレは気合を入れた







ん?何やってんだあいつ 懐から
なに取り出し…え!?





「やっぱりこれがねぇとな」







って おおおぉぉぉぉぉい!







「ちょっ、土方くん 何してんのぉぉ!?


「あん?見りゃわかんだろ
マヨネーズをぶっかけてんだよ







だからって今かけるかあぁぁ!?









あああああ二人のポッキーの掛け橋
マヨネーズがたんまりと…





てかほとんど零れてるしぃ!









「よーし、じゃ いくぜ!」







嬉々として食べ始める土方くん





逆に食欲が失せてくるオレ







どうした?このまま負けてもいいのか?」





挑発的にあいつはそう返してきた











…くそおぉぉ
マヨネーズごときで負けてたまるか!





「いいわきゃねーだろぉ!」







オレは覚悟を決めてマヨポッキーを
ガリガリとかじりだした







あいつの唇と貞操は オレのもんだぁぁ!













…あと、ほんの僅かってところで
ポッキーが折れやがった







同時に二人で顔の位置と下の線を見比べる





…げ、出遅れた分 オレちょっと負けてる!







「どうやら…オレの勝ちだな
オラ 帰った帰った」





えええええぇぇぇ ちょっ後少しだったのに
納得できるかよ!!






「いや待て、よく見ろ オレの方が勝ってね?
まぁお前がどうしてもっつーなら再勝負しても」


「テメェ負けたんだからとっとと帰れや!」


「そこを何とかもっかい決着つけようぜぇぇ!!」


「うぜェ斬られてぇかテメェ!!」







ケツを思いっきり蹴っ飛ばされて追い返された







そりゃねぇよおぉぉぉぉ!!













「はぁぁあぁ…」







夜中 神楽が寝静まってオレはため息







「オレはチョコと愛が無きゃ死んじゃうよー
大串くんのイカレマヨポンチー」





寝る気にもなれず、ソファーの上で
そりゃもういじけてたよ









…なんだよ 玄関からドンドンうるせぇな







「ったく人がチョコ不足で落ち込んでる時に…
はーい、どちら様?」









玄関を開けると 土方くんがいました





「なんだよ、案外元気そうじゃねぇか」


ん?大串くん何しに来たの?」





驚いてるのを悟られないように、平常心を
保ちつつ聞いてみた







「あん?テメェがチョコくれってうるさかったから
ワザワザきてやったんだよありがたく思え」







やっべ…嬉しい…!









反則だろ その赤い顔で不意討ちチョコ







「…ああそう ありがと


「おう」








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あとがき(というか楽屋裏)


狐狗狸:リベンジ銀土!ってことでバレンタインネタ
いかがでしたでしょーかっ


銀時:いかがもクソもよぉ、この終り方何?
不完全燃焼じゃねぇかあぁぁ!


土方:全くだこのヤロー


狐狗狸:だってメインはギャグだもん、ラブコメじゃ
ないんだもん!


土方:いい歳してもんって言うな!


銀時:そうだそうだ!オレが見たいのは
可愛くて素直な土方くんなんだよ!!


土方:論点ちげぇ!




リベンジしきれないグダ話でスンマセンでした


読者様 読んでいただきありがとうございました!