「つーわけでアレはお前の方が先だった
だからなんか奢れ」
「何でそうなるふざけんな ありゃお前の方が
先だろ だから奢んのはテメーだ」
路上を歩く銀時と土方が 肩を並べながら
ずっとこんな感じの言い合いをしている
普段から仲の悪い（？）二人が
何故こんな感じの状況になってるのか
「ケンカするほど仲が良いかは別」
…分かりやすく順を追って説明すると
休暇中の土方が飯屋に入ったところ、
偶然にも銀時と出くわして
そこでマヨ丼ＶＳ小豆丼の戦いを皮切りに
土方の行く所行く所で銀時との小競り合いが勃発し、
ついには健康ランドでサウナ我慢対決を行い
…結局は二人同時にサウナを出たわけだが
詳しい事は 単行本九巻の第七十五訓が
元ネタの為、これを読む事をお勧めする（宣伝）
「誰だ？このオッサン 何か今日はお前だけじゃなく
オッサンにもよく会う日だな」
「そういやこのオッサン ネおじさんや
映画館でのオッサンとよく似てやがんな」
オッサンをしばらく見下ろす二人だが
まさかそのオッサン＆ネおじさんと
映画館のオッサンが
兄弟で土方を狙う攘夷志士だとは二人とも
まったくと言っていいほど気が付かなかった
「どーでもいいけど さっさとこの汗
流しとかねーか、ベタベタして気持ち悪りーし」
「同感だな ついでにお前との縁も
水に流してさっぱりしてーよ」
「それはこっちの台詞だよ〜土方君」
なんて会話を繰り広げて 二人は一風呂浴びて
健康ランドを出て―今にいたる
「てーかどこまで付いてくる気だ」
「決まってんだろ？テメーが奢ってくれるまでだ」
「だから何でオレなんだよ！逆にテメーが奢れコラ」
はー、と銀時がわざとらしく溜息をつく
「あのな、こっちは貴重な休日潰されてんだぞ
それを至極平和的に解決してやろーって言う
大人のやりとりがわかんねーのか？」
「テメェ年中ヒマじゃねぇかよ！
貴重な休日潰されてんのはこっちだコラァ！！」
「あぁ？警察なんて日々働いてなんぼだろーが
だらだら休んでんじゃねーよ、働け」
「お前が言うなあぁぁ！！」
怒鳴り声のボリュームも際限なくアップするせいか
道行く人が 二人の方を見て
何やらひそひそと言い合っている
…どうやら その視線に耐えられなくなったらしく
「あーもぅ、これじゃあ埒があかねぇ
もうアイス奢ってやるからテメェ帰れ」
溜息交じりで諦めがちに、土方がそう言った
「アイスぅ？何しょぼい事言ってんだ
ここはやっぱりスイーツ食い放題だろ」
ドキッパリと言い切る銀時を、嫌そうに土方が睨みつけ
「んな甘ったるそうな所に行けるかコラ」
「何だよしけてんなーじゃあパフェ食い放題で
勘弁してやるから奢れ」
「偉そうに命令してんじゃねーぞコラ」
……そう言った感じの流れで、二人は現在
甘味所にて パフェを注文したのだが
「…何だ、遠慮してんのか気持ちわりーな」
「気持ちわりーのはこっちの台詞だバカ野郎
何、なんでパフェにマヨネーズかけんの？」
「オレはデザートにもマヨネーズをかける派だ」
「百害あって一理もねぇだろ、ってか逆に
こっちの食欲失せるよ」
キレイに整えられた 大き目のパフェに
嫌ーーーー！と言うほどどっさりとマヨネーズかけて
平然と食べ始めた土方を見て
銀時のパフェを食う手も、思わず止まっていたりする
「とか言いつつ、そのパフェ２杯目だろーがよ」
「あのな、普段ならオレぁ パフェ３杯は
余裕なんだぜー余裕」
「…言っとくが、３杯分までだからな 奢んの」
「ありがたいね オレもデザートをマヨで食う奴と
これ以上同席してパフェ食いたくねぇしな」
微妙にケンカになりそうな 一瞬即発の
空気を孕みながらも
二人はパフェを食べ終え、甘味所を後にした
「パフェと一緒に凄まじいもん見せてくれて
ありがとうよ、土方君」
「…チッ、ちゃんと３杯奢ってやったんだから
今日はもう付きまとうんじゃねーよ じゃあな」
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あとがき（というか楽屋裏）
狐狗狸：銀魂ＢＬ第二段 て感じで書きましたが
…微糖所かこれ限りなく無糖に近めだ（汗）
銀時：つかよぉ、糖分足りなさ過ぎじゃね？
オレが言うのもなんだけど
狐狗狸：もー少し甘めな展開にすりゃよかったかな？
土方：ざけんなコラ こちとら甘いもんなんか
滅多に食わねぇんだよどっかのバカと違ってな
銀時：こっちだってパフェにまでマヨネーズかける
宇宙的味覚の奴と同席は勘弁してもらいてぇな
狐狗狸：ここでまでケンカしないでくださ…
土方：上等だコラ ならここで決着付けっか？
銀時：いいとも、じゃあコイツが審判でどーだ！
狐狗狸：Σえ、てかどっから出したのその
土方スペシャルと宇治銀時丼は！？
ネおじさんと同じ末路を辿りそうです
期待(？)されてたより甘くなくてスイマセンでしたっ
読者様 読んでいただきありがとうございました！