僕の目的はきみどりを守って、げぇむをずっと
楽しみ続けることだった
もっともっとげぇむを楽しくするために
今まで以上に人を集め 妖を撃符に封じ、
派手に戦わせたりした
そんな中で 三志郎君と出会った
〜「僕だけの魔王」〜
僕はある時は"灼銅の鬼仮面"として
げぇむを影から管理し
ある時は"須貝 正人"として
完璧な友達の仮面を被り、三志郎君と親しくなった
「正人 オレ、撃符に封印された妖たちを
救いたいんだ!」
彼の真っ直ぐで明るくて可愛らしくて
だけど、秘めた強さのある姿を見て
面白いと同時に、危険だとも思った
ひょっとしたら 彼は僕のこの世界を
壊してしまうのかもしれない…
危惧したその通り、三志郎君は
このげぇむに疑問をもち始めた
排除するだけじゃつまらない
そう考えた僕は、最高のげぇむを考え出した
「僕が勇者できみどりがお姫様、三志郎君が
魔王の 王道ヒロイックファンタジーをやろう」
そのために、僕は色々と準備を進めた
正人として三志郎君と一緒に戦ったり、
鬼仮面として立ちはだかったり、
それもこれも 僕が楽しめる話を作るため
僕がこの妖逆門の世界でずっとずっと
げぇむを楽しむためだけのものだった
そう…それだけのはずだった
「遅いよ三志郎君 早く早く」
「おーい 正人、待ってくれよー」
友達のフリをして三志郎君と接してる内
僕の中で 何かが芽生えた
「正人とまた会えて嬉しいぜ〜
このげぇむも一緒にがんばろうな!」
「そうだね 僕も三志郎君と会えて心強いよ」
彼は、僕を友達だと信じている
まだ僕の正体はバレていない
彼は僕の正体に毛ほども気付かず
無邪気な笑みを送っている
なんて愚かで 愛おしいんだろう
…全て 順調だ
これから先、彼は獄門世界でライバルを
蹴散らし 最強のぷれい屋になる
そして 最強のぷれい屋…"魔王"となった
彼を 僕がこの手で倒すのだ
初めは、ただ倒すことだけを考えてた
でも今は 最強の魔王を倒して勇者になることよりも
倒した魔王を独り占めすることを
考えている自分に気がつく
この可愛らしくて真っ直ぐで強さを秘めた魔王を
自分だけのものに出来たなら
自分の手の中で 従わせつづけることが出来たなら
ずっと、側に置いておけるなら
それは "げぇむ"なんかよりも
もっともっと楽しくて幸せに違いない
「正人なんか嬉しそうだな なに考えてんだ?」
「ふふ…内緒」
笑いながら言うと、三志郎君が膨れて言う
「え〜いいじゃん 教えろよー」
「言わなくても君にもわかる日が来るよ
だから安心しなよ 三志郎君」
僕は笑顔を作って、彼にそう言った
そう…いずれ 嫌でもわかる日が来る
今からその日が楽しみで、待ち遠しいよ
「そうか でも、気になるなぁ…」
腕を組みながら考え込む三志郎君の肩を抱いて
僕は 耳元でささやいた
「君がもっと強くなったら 教えてあげる」
離れて顔を見ると、三志郎君は
耳まで見事に真っ赤だった
「っ強くなるよ…!」
「楽しみにしてるよ」
僕は微笑んでこう返した
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あとがき(というか楽屋裏)
狐狗狸:嘘くささ満天な正三でスイマセン
正人:初めての僕の話がBLな上に、第一声がそれ?
三志郎:正人 オレとの話…ヤだった?
正人:別に三志郎君との話は不満じゃないさ、
不満なのは作者のいい加減さだけだよ
狐狗狸:やんわりキッツイこと言ってるよこの子…
正人:何か言いました?独白な捏造語りの上に
絡みも甘さも皆無なヘタレ文書いた作者さん?
狐狗狸:うわわわわ!黒いオーラ向けないで
三志郎君お持ち帰りしていいから!!
三志郎:え、オレ お持ち帰り!?
正人:それなら特に文句ないよ それじゃ
行こうか三志郎君(三志郎の腕を引き)
三志郎:行くって何処へ…!?(引きずられ退場)
狐狗狸:……ふう 悪魔は去った
正人のキャラが合ってるか不安です…(汗)
読者様、読んでいただきありがとうございました〜