「やぁ三志郎君 君たちもいたのか、奇遇だね」


「お〜お前もいたのか〜!!





微笑んでいるに駆け寄る三志郎







お互い会えて 心底嬉しそうな顔を


いや の方は微笑のままでわからないが
少なくとも三志郎は心底うれしそうである





「会えてよかったよ〜そういえば フエさんはどうしてる?」


「ああ あいつは何かいつもいねぇんだよな〜」





「オレならここだが 何か用なのかニイちゃん?」


突然二人の後ろから フエが姿を現す





Σフエ!イキナリ現れんなよビックリするじゃん!!」


「あ〜良かった ちょうど話がしたいと思ってたんだ」







フエの登場にビックリして身を引く三志郎とは対照的
さも当たり前のようにフエに話し掛ける


「…そっちのニイちゃんは反応が無くてつまらん で、何だ?





「大した事じゃないよ ちょっと実験に付き合って欲しくてさ」







のその一言に 途端にフエの表情が引きつる
ちなみに三志郎はから一歩身を引いている


「頼むニイちゃん…あれだけは勘弁してくれ」


「おオレももう飲みたくないなぁ、ワリィけど;」


どうやら二人は以前 の特製健康ドリンクを体験済みらしい





「大丈夫だよ 俺の特製ドリンクじゃないから」





苦笑交じりでウェストポーチをまさぐる しかし
二人は今だ警戒したまま







そしてが取り出したのは、
手の平サイズの緑色をしたボールだった








〜「スケープねいど?」〜








「… そのボール、なんだ?


取り出されたボールを見るやいなや
警戒を解いて、興味津々に質問する三志郎





「俺が一番初めに作った 発明品の改良版…出来ればこれ
妖怪とかフエさんに投げつけて結果を聞かせて欲しいんだけど」





「ちょっと待て 何故そこでオレが出て来る
オレじゃなくても、兄ちゃんの個魔で十分だろ?」


「それがね〜 に聞いてみたんだけど…」











少し前のの会話









「ねぇ この改良版、
個魔に聞くかどうか試させてもらっていい?







笑顔で空恐ろしい事を言いながら ボールを指差す





Σえ ぼぼぼぼぼ僕は遠慮します…」


真っ青な顔でそれだけ言うと 
ウエストポーチにある鏡の中へ急速に引っ込んだ












「…ってかんじで、それっきり鏡から出てこなくなっちゃったんだ」





「って事は そのボール…結構やばいのか?


と三志郎がボールを指差したときだった









「あらあ〜お二人さん こんな所でおしゃべりしてたら
ルール説明聞き逃しちゃうわよ?





三志郎との間に 逆さ吊りでねいどが現れた







Σうぉっ ねいどもイキナリでるなっ!」


「う〜ん、まだげぇむは始まってないと思うんだけどなーねいど?」





「んもぅ ちゃんたら本当に反応薄いわねぇ〜
つまんないから三志郎ちゃんで遊んじゃうわ♪」







そう言うなり 唐突にねいどが三志郎の帽子をひったくって
くるりと身体を反転させ 空中へと舞い上がる





あ!ねいどっ こらマテオレの帽子返せよっ!!


やなこった〜悔しければとりかえしてごらん?」





空中のねいどは 帽子を弄びながら三志郎にアカンベーをする







「くっそ〜こうなったら…!さっきの貸してくれ!!


「いいよ ねいどが記念すべき実験体だね」





三志郎はから先程のボールを受け取り、振りかぶって
ねいどに思い切り投げつけた





勢いの乗ったボールは 見事顔面にストライク!









弾けたボールから なにやら黒い煙のようなものが
ねいどの顔面を包み込み、そして





「Σぎぃやあ〜〜〜〜〜〜!!!」





断末魔の叫びを上げながらねいどが落ちた









「よっしゃ〜!帽子取り返すぞっ!!





三志郎はガッツポーズをすると ねいどの落ちた辺りまで
走っていく とフエも後に続いた







落ちたねいどはまだもがきつづけていた





「ぎゃ〜熱いわ痒いわハクション!しかも痺れて動けな〜い
ハクション!ハクショハクション!



苦しみもだえるねいどから 三志郎は帽子を取り戻した








「帽子取り戻せたぜ〜ありがとな 


「こっちこそ 予想以上の効果がわかって嬉しいよ三志郎君」





「…なぁニィちゃん あの球体には何が入ってたんだ?」


笑顔でハイタッチをする二人の側で苦しみつづけるねいど
横目で見ながらフエが尋ねる







「一番初めの奴は 刺激物を混ぜただけの
子供騙しだったんだけど…」


そして は二人にボールの中身を簡単に説明しだした





初めワサビとかの刺激の強い調味料と
トロロの混合物
だったものが


今ではそれらの刺激を与える成分だけを抽出し、
ベニテング茸トリカブト等の毒物も少量加えてあるという










「って言っても 致死量分混ぜてはいないから安心していいよ?」








苦笑するのその言葉に 三志郎は顔を引きつらせ
フエは改めて(たまたまではあるが)ねいどの身代わりに感謝した









ハクション 可愛い顔してなんて酷い事をハクション
する子なのかしら〜ハクション!!







ねいどが復活するまでのしばらくの間
げぇむが始まらなかった事は言うまでもない








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あとがき(というか楽屋裏)


狐狗狸:ご無沙汰しちゃっててスイマセン〜二つ目の妖逆門夢
やっと書きました…遅い上に展開が唐突でごめんなさい(謝)


三志郎:てゆうか、の持ってたあのボールって
名前あんのか?


狐狗狸:あー…考えてなかった(汗)


三志郎:じゃあオレが名づけてやるよ!そうだな〜
……ショックボールとかあとはビックリ緑玉?


狐狗狸:いや それまんまだから
(ヤッパリネーミングセンスないなぁ/爆)


不壊:しかしあの兄ちゃん オレやねいどの登場に
眉一つ動かさないとは…ちょっとおかしくないか?


三志郎:こっ こら不壊!そんなこと無いって!!


狐狗狸:………その辺の話は また別の話で紹介するよ
それじゃあ 様、読んでいただきありがとうございました〜


三志郎:ええーーーーーっ!?(驚)