「やあ、三志郎君」







目の前で挨拶した相手を見て、三志郎は戸惑った





やたらと友好的な女の子だが、一度も
会った憶えが無いのだ







「あれ 分からないかな〜俺だよ?」


「俺って言われても…オレ達、会った事 あったっけ?









ポリポリと頭を掻きながら 三志郎が尋ねた









「…約束してくれたよね?優勝したら
妖怪と一緒に俺に会いに来てくれるって?」







ポツリと呟く言葉と どこか寂しげな微笑が


三志郎の脳裏にある人物を連想させた











「…え、もしかして !?


「ようやく分かってもらえて、嬉しいよ」











〜「違和感ゼロキロ(前編)」〜











「誰かと思ったぜ、どうしたんだよその格好」






不思議そうに問い掛けられて は苦笑交じりに答える







「実は前のげぇむの時に 女の子を助けた事があってね…」















が別のげぇむステージへ進む前の事である











彼は、襲いかかる妨害妖怪に追い詰められていた
隠岐 清という少女を助けた





それが全ての発端だった―













「あの 助けていただいてありがとうございます!
女の方なのに お強いんですね」







丁寧に御礼を言う清の最後の言葉に、





は苦笑を少し浮かべた







その整った顔立ちのせいなのか、





中性的で不思議な雰囲気を漂わせる
立ち振る舞いのせいなのか、





昔からはよく性別を間違えられている









「感謝してもらってる所悪いんだけど…
ゴメン 俺、男なんだ


「ええっそぎゃんべっぴんなのに!?









言ってから 清は真っ赤になりながら口を塞ぐ







そこへ唐突にねいどが現れて







「いい事聞いたわん、折角だから ちゃんを
も〜っと女の子らしくしてあ・げ・るv









言うや否や いきなりポンという軽い音と共に
妙な色の煙に包まれ―





煙が収まるとは 女の子の姿になっていた











何時もの青い帽子の代わりに長い金髪のウィッグが乗っかり





服は少しゴスロリが入っていて、
バック等の小物も黒を基調にしてあり







微妙に彼の顔にも化粧が施されている









一番問題なのは のその姿が
全く違和感が無かった事である







「Σなっななななんばしょっとねーーー!?」


「Σがっが女の子にーーーーーー!?」







清との個魔、が慌てふためく中





「ねいど 俺の帽子と服はどうしたのかな?」





周囲の騒ぎ様に全く動じず、ねいどに問い掛ける










「別に服や帽子はとってないわよん、ちょっと形を変えただけ〜」





宙にぷかぷか浮かびながら ねいどは続ける







「しばらくすれば元に戻るから それまで
その姿を楽しんでちょーだい、じゃあね〜♪









あっけらかんと言い放ち ねいどが姿を消した














…そしては次のステージへ進み





三志郎を見かけて声をかけた所で話はここに戻る
















「…そういう事情だから 俺は術が解けるまで
このままでいなきゃならないんだよ」


大変だなーも けど、何時戻るか
わかんね―のって結構不安だよな〜」


「んーまぁ 意外とまだ戻らないから不安では
あるけど、これはこれで新鮮かなって思うんだ」







さして困った風でもなく笑うは、





事情を知らない人間が見たら一目惚れするほどキレイだった









逆にその姿に三志郎が戸惑ったようで、







「そ…そうなのか」







ちょっとだけ頬を染め 少し視線を逸らす









「なっ何か出来る事あったら言ってくれよ
オレ力になるからさ!」



「わざわざありがとう 三志郎く」





の言葉を遮って、





「ちょっと 三志郎じゃない!
…誰よその女の子、凄い美人だけど」







通りがかった亜紀が 三志郎とに近づいてくる







「アキ、こいつは…」





説明しようとの方を振り向くと





「ワーオ 何てビューティフルなお嬢さんなんだ!
これからミーとデートしなーい?







いつの間にか彼の側で ミックが口説き文句を口にしていた







「ミック アンタまたナンパなんかしてんの?」


オーウ亜紀!もしかしてミーに焼きもちを
焼いてくれてるのかい?」


「そんな訳無いでしょふざけんじゃないわよ!
だーれがアンタなんかに焼きもち焼くもんですか!」







そのまま何故かミックと亜紀のケンカ(?)が始まる









はそんな二人を見つめながら、首をかしげる







「…これって 止めた方がいいのかな?」


「止めといた方がいいぞ 亜紀は怒るとおっかねぇから」





瞬間 三志郎の肩を誰かが叩いた





「やぁ 三志郎…誰だい、その可愛らしい女の子は?」


うわっ、お 脅かすなよロンドン!」







ケンカ(?)している二人はロンドンの存在に気付かない







「あ また会ったね、ロンドン君」









はロンドンに気付いたらしく そう呼びかけた







「君は初対面のはずなのに、何故ボクの呼び名を
知っているんだろう…ミステリアスだね?」


「俺だよ俺 狂骨でお相手した―」





「うるさいな、一体何の騒ぎだ!」









一喝に 皆が声の方を見ると、そこには修がいた







「またお前達か 相も変わらず騒がしい奴等だ
…ところで、誰だこの女は?







じろりと睨む視線に たじろくことなく









「俺は女の子じゃ―」





言いかけたの口をねいどが片手で塞ぐ











「んも〜皆 この子の事、気になるの〜?」


『ねいど!?』









相変わらず前触れの無いねいどの出現に
以外は皆驚いて ちょっとだけ後退る







「だったらちょうどいいわん♪
余興として面白いげぇむ思いついちゃった〜」







若干周囲の様子を無視したいつものペースで





ねいどは開いている手の指を一本立てて、








制限時間内にこの子を捕まえたものが勝ち♪
どう?面白そうでしょ?」





と とんでもない提案を繰り出してきた





「そんな事 勝手に決めていいのかよ?


「反論は受け付けませ〜ん」







三志郎の言葉を ねいどがあっさりと否定した







「ちなみに勝った子には イイ物
あげるつもりだからガンバッテねぇ〜ん」


「…新しい術符とか マトモなもんだったらいいけどね?」


グレイト!俄然やる気が湧いてきまーシタ!」





その言葉に活気付く亜紀とミック









「浮かれるのは後にしろ…制限時間はどのくらいだ」





修が訝しそうにねいどに尋ねる







「それはこの子が一番良く知ってるわよん♪」


「真面目に答えろ!」


「落ち着けよ全く…相変わらずCOOLさが足りない奴だな」









苛立つ修を ロンドンが鼻で笑った









口を塞がれたままなので、は心の中でそっと呟いた





(…恐らく 俺が元に戻るまで、だろうな)







「それじゃ〜今からこの子が逃げて
ある程度たったら始めるわよん♪













こうして にとってある種、最大の受難
幕を開けたのであった…








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あとがき(というか楽屋裏)


狐狗狸:久々の妖逆門夢の更新が オールキャラな上
続き物になってしまいました…


三志郎:書くの遅すぎだろ、の出番少ないのは
可哀想じゃねーか!


亜紀:てゆーかいい加減 あたしをちゃんとした話で
書いてよね!三志郎とかばっかりシリアスで…!


ミック:そーデース!あとミーの出番ももっと増やして下サイ!


狐狗狸:悪かったゴメン…って、何気に愚痴とか
好き勝手な要望まで盛り込んでる!?


ロンドン:君たち少しは大人になりなよ、COOLにね


修:お前のギターといい、喧しい奴等ばかりだ…


ロンドン:何だと!?


清:二人とも ケンカはいかんバイ!


狐狗狸:だーもうそっちはそっちで大変なことに!


正人:全く 僕に断りなくまたこんなげぇむを…それと
いつになったら君の話に僕が出てくるの?


きみどり:私も…出たい…


狐狗狸:って君たちは今回の話に出てないのに
出てきちゃダメだって!!





この後の展開を…なるべく早めに考えときます(待て謝)
相変わらず混沌な話ばっかですまなんだです


様、読んでいただきありがとうございました〜