人気のない公園のベンチに座って、ボクは
ギターケースから愛用のギターを取り出す







げぇむが始まるまでの間 一曲かき鳴らすのが
ボクの中では習慣になっている





今日のボクの魂の叫びは いつもよりも絶好調だ!!









…誰も観客がいないのが、ちょっとシャクだけど





まあ ボクのロックを"雑音"呼ばわりする奴が
いないだけせいせいする











最後まで引き終えて、ギターから手を離した時





横から パチパチと手拍子が鳴り響いた









見ると、青い帽子を被った天パの男


うっすらと微笑んでいた











〜「不協和音と和音と(前編)」〜











「…ボクの曲を聴いていたのか?」


「ああ、ゴメン ここを通りかかったら聞こえたんだ
それより…君の歌声 是非とも録音させて欲しいな





どうやら、無意識に歌っていたようだ…って


それより 今この男、何て言った?







「Σ今の言葉、嘘じゃないよな!?」


「うん 凄く興味があるんだ、君の―





その歌声に、って続くと思い ボクは将来のイメージを
即座に頭の中で思い浮かべた









ボクは自分の壊滅的な歌声にちょっと凹んだりしてたけど





それでもボクの魂の叫びを分かってくれる
いいやつがいるじゃないか!!













「その歌声から発せられる特殊な超音波に







信じがたいその一言によって





ボクの将来イメージは音を立てて崩れ去った











「どっ…どういう意味だそれは!!」


「そのまんまの意味だよ 君の歌の怪音波
きっと面白い研究材料になるかなって
声帯の形状とか凄く気になるし」







その後のあいつの言葉は ほとんどボクの耳には
入ってこなかった









ただでさえ ボクの音痴が音楽界にとって
致命的損失だって事を自覚してるのに…





よりによって、研究対象!?







これなら"雑音"って言われた方がまだましだ!


…そういわれるのも我慢ならないけど!!









「オマエ!対撃で勝負しろっ!!







そんな訳で ボクはこの気に食わない男と
対撃することになった















「あらあら〜ちゃんが対撃なんて珍しいわねぇ♪
ロンドンちゃんも負けないようにねぇ」







何処からともなく現れたねいどが ボクと
あいつ―""にニヤニヤと愛想笑いを振りまく









「そう言われればそうだね 久々だから一寸不安だな」


「フン、僕があんなヘラヘラした男に負ける?
そんなの全然COOLじゃないね」


ちゃんに比べてロンドンちゃんたら可愛くないわねぇ
まぁいいわ♪それじゃ、対撃始めましょん♪







お互いに ねいどが用意した対撃フィールドで対峙する











あいつの持っている撃盤が やたらと派手で目に付いた





――アイボリーに、銀?





「何だよその撃盤の色 カナリヤの歌になぞらえてるのか?」


「…ああ確かに、撃盤の色が同じだね
歌に詳しいんだね君って」


「ボクはロックスターを目指すCOOLな男だからな
音楽に精通していて当然だ」





「そっか、君は音楽が大好きなんだね
じゃあさっきの一言は不味かったかな?」







今更の様に苦笑をもらすこの男









「当然だろう ボクの魂のロックを事もあろうに
怪音波だなんて…この罪はキッチリ償ってもらおうか







ボクは撃符にキスをひとつ落とすと、







「カモン クレッセント!





撃符からクレッセントを召還した









「へぇ〜ロンドン君は金属性なんだね、強そうな妖怪だ」







出てきたクレッセントを眺めて ""はそう言う





三志郎と似たような、興味深々って反応だけど…


奴と違って 顔には余裕がにじみ出ている







「さあ さっさとお前も妖を呼べよ、COOLに負かしてやる


「お手柔らかに頼むよ…出ておいで、狂骨







言いながら あいつが撃符妖怪を呼び出した…と思ったら









何故か 目の前に井戸があった、しかもやたら古い











「狂骨は井中の白骨なり…世の諺に甚しき事を
きゃうこつというも、このうらみのはなはだしきより
いふならん……」








地獄の底の様なビブラートが井戸から聞こえ、死体が
…いや、道化衣装を着たガイコツがゆっくりと現れた







禍々しい見た目…陰属性の妖かと、少し警戒する









ガイコツはキリキリと首をボクのほうへと向けー











「アッハハハ固っ苦しいのナシナシナーシッ!
ぼろ井戸から狂骨ここに参上〜♪







急に声のトーンを明るく変えて 目の前のガイコツが
フレンドリーに手を振る









「あ、君が今日のの対撃相手?
ギター持っててカッコいいね〜なんて名前?」







急激に雰囲気の変わった しかも妖にそんな風に
声をかけられたのは初めてで、ボクは思わず戸惑った





そんなボクを無視して ""がガイコツに答える







ロンドン君って言うんだよ 音楽が大好きで
ちょっと人とかけ離れた歌声を持ってるんだ」


「かけ離れたって 物凄くうまいって事?
ひょっとして超美声とか!!」


「ううん、でも逆に凄く興味をそそられててさ
あの半径10メートルでも響く怪音波とか不協和音が
どうやって出されてるのか気になっちゃって」





「Σ怪音波って言うな!!」









目をキラキラさせながら楽しげに語る""に向かって
ボクは思わず大声で叫んでしまった





ちっくしょー COOLじゃない…!









「お前ら ボクにケンカを売っているのか!」







苛立ち混じりにそう言うと ガイコツが""の方を
ちらりと見やる







「ねぇ 音痴の子を怒らせちゃだめだよ〜」


「あー…しまった、ごめんロンドン君
ついいつもの癖で」





苦笑交じりで謝られても 最早嫌味にしか見えない







「こうなったら何が何でもこいつらにCOOLに勝つぞ、クレッセント!







ボクは側にいたクレッセントに 戦闘開始の合図を告げた








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あとがき(というか楽屋裏)


狐狗狸:久々の妖逆門 ロンドン夢です…グダグダ駄文で
しかも超絶遅更新で本当に本当にスイマセン


ロンドン:しかも勝手に続き物にするなんてCOOLじゃないぜ


狐狗狸:ゴメン ロンドン君…始めは一話で終わらす
つもりだったのに 長くなりそうだし続き物に(汗)


ロンドン:しかもの妖、完全にオリジナルじゃないか
更に言えばモデルは某漫画のパクリ…恥ずかしくないのか?


狐狗狸:それは言うなっ!狂骨は妖怪図鑑とか見てて
どうしても書きたくなったんだよっっ!!
でも設定的にはパクリって言われるかも…(泣)


ロンドン:とにかく さっさと後の話を
COOLに書き上げてくれよ


狐狗狸:はーい…勿論の属性とか狂骨の設定を
後のに書くつもりです




様、読んでいただきありがとうございました〜