「おや、ロンドンくん」


『こんな所で会うなんて奇遇だね〜!』


「…お前達は一体何やってるのさ」







逆日本の公園で、ロンドンくんが
呆れたようにそう訊ねる







は動きを止めることなく





顔だけをロンドンくんに向けて話す







「元の日本でもハロウィンが近づいてきてて
お店がどこもハロウィン一色でさ」


『したらねいどがさ、今度のげぇむで面白いこと
したら得点にするみたいなこと言ってたからさ』







言葉をお互い引き継ぎつつ、顔だけを彼に
向けた状態で 僕等は踊りつづける







「その時に備えて 俺達は
組み体操ダンスをするつもりで」


『今 と二人で特訓してるんだ!』







言って、二人でポーズをとった









うーん キマったね!











〜「僕の理解者」〜











「…確かにそんなことを言っていたけど
なんで撃符妖怪と組み体操ダンスなんだよ?」







怪訝な顔したロンドンくんに、





僕は首をかしげながら







『そうかな?ぷれい屋と撃符妖怪の組み体操ダンス
なんて中々見られないから面白いとおもうけど?』


「スポーツの秋っていうし、最近こういう運動は
してないから ちょっと興味が湧いてね」









僕とは本当 こういう時は息ピッタリで







お互いの台詞を言い終えて、顔を合わせて
ニッコリ シンクロスマイル!









それを見たロンドンくんは眉間にしわ寄せてたけど







「まあ…お互いがそれでいいなら何も言わないけど」


「ありがと、ところでロンドンくんは
どうしてここに来たの?」







が尋ねると、彼は背中に背負った
ギターを颯爽と取り出して







「決まっているさ!もちろん僕は練習がてら
お前達に僕の曲を聞かせに来たんだ!」







ギャーン、とかき鳴らす









けど が苦笑交じりで片手謝り







「あーゴメンね、俺達ダンスの練習してるから
多分 ちゃんと聞いてあげられないと思う」


「練習中でいいから聞けよ!」


『曲って言えば、ダンス用の曲は無いよねー』







話題を変えようと僕が言った言葉に、
ロンドンくんの目が光った







「だったら僕がお前達の曲を作って
それをダンスで使うのはどうだ?」







唐突なその申し出に、僕と同時に固まる









普通なら ミュージシャンの曲で
ダンスなんてかなり面白いと思う







けど、彼は超絶な音痴









「どうせ僕は自慢の曲を披露しようと
思っていたし、一石二鳥だろ?」


『…どうする??』







は、うーんと少し悩んでから







「それはそれで新しいかもしれない
お願いできるかな?」









微笑んで ロンドンくんにそう言った









本当にジンって変わり者だなぁ
ロンドンくんが音痴なのわかってて頼むなんて







…でも そこがのいいところだけど♪







『だったらさ 僕とが会ったエピソードを
曲に出来たりする?する?』


「お前とが出会ったエピソード?」







今度はロンドンくんが悩んで、







「まあ、出来ないことは無いけど…
話してもらえないとなんとも言えないな」


『気合入れて語るからね♪』













僕の種族―「狂骨」は元々 陰の属性だ





発祥が井戸に捨てられた人達の恨みの骨だから
必然って言えば必然だけどさ







でも、僕はそんな「狂骨」の中じゃ
かなりの変り種だったみたいだ









「誰かを呪って過ごすより、誰かを救いたい」







人間を見ていて、そう思った









陰と陽は表裏一体 発祥が発祥だけに





僕達の属性は他の妖怪より不安定で







進む道を他者を呪う事から救う事に変えるだけで
僕は何とか 陽属性に転換できた











妖が自分で属性転換って…そんな事が
出来るのか?」


『普通は前例が無いな』







ロンドンくんの側で、個魔のヒトが呟く







『うーん でも実際に僕は転換したし
不可能じゃないとは思うけどねー』









そこに、が横から口を挟む







「でも俺が他の妖達とかから聞いた話だと
よほど特殊な妖でないと無理らしいよ」







へぇ、と感心する二人を見て 僕はこう言った







『じゃあ話を続けるね〜』











でも、人は皆 僕を悪い妖怪だと思って
怖がったり 攻撃してくる







他の妖怪や同じ狂骨の仲間達は





僕の事を偽善者とか裏切り者とか罵って









撃符にも封印されて、このままずっと
一人ぼっちのままかなって思ってた









あの日 に会うまでは









「君は 妖怪なのかな、名前…教えてよ」







初めて会ったその日も、
青い帽子をかぶって ニッコリ微笑んでいた







『狂骨っていうんだけど 知らない?』


「ゴメン知らないや、君はどんな妖怪?」









僕らが会ったのは 深い谷の底







はげぇむの途中、他のぷれい屋に
そこへ落とされたと聞いた









『よく助かったね』


「実際に落とされたんじゃなくて、ここに
移動させられるポイントに突き飛ばされただけだからね」







ニコニコと笑いながらそう言うが不思議で





僕は、質問を続けた







『どうして突き飛ばされたの?』


「そのぷれい屋の撃符妖怪に追い詰められたんだ」


『何で反撃しなかったの?』


「戦うのは好きじゃないし、それに 俺は
一枚も撃符を持ってないから」











話の途中、ロンドンくんがに詰め寄る







「何でげぇむに参加したのに 一枚も
撃符持って無かったんだよ?」







は眉一つ動かさず 笑顔で答える







「いや 俺、戦うの好きじゃなくて
説明聞いた時に撃符断っちゃったんだよね」


はぁ!?何だよそれ…COOLに吹っ飛んでるな!」







呆れ顔でロンドンくんが手で頭を抑える







『僕もそれ聞いた時は本当驚いたよ〜』











僕は、驚いて にこう聞いた







『君は…そんな状態なのに、僕が
怖いとか思わないんだ?』









げぇむでここに来たぷれい屋は、僕を
見た瞬間 撃符妖怪を呼んで攻撃していた









僕は何もしていないのに、勝手に怖がってた









なのに 目の前の少年は
微笑んだまま僕と話をしてくれている









「自分が普通じゃないのは重々承知してるし
それに、君は悪い奴に見えないから」







人を助けられる妖怪になりたいと、願っていた僕







はそんな僕を 初めて理解してくれたヒト







『ねぇ、僕を撃符妖怪として連れてってよ』





僕がそう言うと、は頭を振る





「…でも俺 戦うのは好きじゃないよ?」


『いいよ 別に無理に戦わなくても
大事なのは、人を救えるかだから』









少しの間 は何の表情も浮かべなかった







けれど、すぐにニッコリと微笑んだ









「気が合うね、一緒に来てくれる?」


『いいよ、君といると退屈しなさそうだし!』


「それじゃ これからよろしく狂骨」











そこで、ロンドンくんが納得したように頷く







「それでの撃符に…ところで
その後 ちゃんとそこから脱出できたのか?」


「出来なきゃ ここにいないから」







苦笑しながら、がやんわり言う





それはもっともだよね〜











「早速だけど、ここから上に戻れるかな?」


まっかせて!狂骨変化って言いながら
僕に羽が生える姿をイメージして!!』







言いながら身体を掴む僕に、
笑いかけながら は頷いた







「わかった 狂骨変化!」


『鳥骨飛翔!!』







僕の身体が変化し、背中に骨の羽が生えた姿をとると





を掴んだまま空へと舞い上がった











『…とまぁ そのあとげぇむをクリアしたり
色々あって撃符妖怪も増えて、今はこんな感じ』









全部を話し終えて、さすがにちょっと
しゃべり疲れたから 一息つく









「どうかな?この話、曲に出来そう?」


「何だかややっこしいな…まあでも
言った以上は、約束は守るさ!」







ロンドンくんがウインクしながらニッと笑った







「作ってやるぜ お前達の魂を込めた
COOLでロックな曲を!!


「ありがとう、ロンドンくん」


『よーし 僕らも練習にせいを出さなきゃね!』













そして、ハロウィンの日に







ねいどの言ったイベントを盛り込んだげぇむが行われた









ロンドンくんの作った曲を持参して、
僕と華麗な組体操ダンスを披露した







振り付けを曲に合わせて変えた甲斐もあって





僕らのダンスは思ったよりも高得点だった









…まぁ、協力してくれたロンドンくんの方は
あんまりいい点数じゃ無かったのは可哀想だったけど








――――――――――――――――――――――――――――
あとがき(というか楽屋裏)


狐狗狸:前に妖逆門書いてから、かなり間があいてて
マズイ!と思い ハロウィンネタと一緒にお送りしました


ロンドン:…この話 僕が出る必要ってあったのか?


狐狗狸:モチ!てゆうか書きたいから書いたんだもん!


ロンドン:しかし、ハロウィンの要素が少ないし
デタラメさがアップしてるし COOLじゃない話だな


狐狗狸:だってーだってー消化したい話だったし…


ロンドン:とにかく!次は早いうちにこっちの
話を書いてもらいたいな COOLにね!


狐狗狸:それはもう!11月入ったら気合入れて
ネタを消化しきるつもりですから!!




ウソで固めまくった話でスイマセン(いつもこんなだ謝)


様、読んでいただきありがとうございました〜